平成31年予算委員会 一般会計歳出補足 木下議員( 3月11日)

精神障害者のアウトリーチ事業

○木下広委員  おはようございます。よろしくお願いいたします。私のほうからは、健康推進課のほうで行っていただいております自殺対策、また精神障害者の方への対策ということで、ちょっと確認をさせていただければと思います。

こういう仕事をやっていますと、大勢の方からいろんな御相談をいただいていまして、中には、やはり心の病を持つ方の御家族の方からの御相談というのが、結構ありまして、本当に、直接対峙する場合もあるんですけども、そういう意味では、本区のケースワーカーさんだとか保健所のほうでいろいろ対策をしていただいておりますことも、本当に感謝をしているところでございます。

一時、ちょっと前は、自宅に包丁を持った方が来たりして、私のその彼氏がいないんだけどって、木下さん、何とかしてくれないと。体だけ来たらいいのに、包丁を持ってこられたときは、本当にちょっと僕もびびりまして、しっかりと対策をとっていただいたと思うんです。

まず、この自殺に対してのデータといいますか、最近の傾向、本区のデータがあるかどうかはあれなんですけども、男女別の年齢だとか、そういうのは、現在どういうような現状になっているか、ちょっとお教えいただければと思います。

○関健康推進課長  日本の自殺数につきましては、最近2万台に減ってきているという状況で、最新のデータですと、31年の1月に出たデータで2万598人、16.3%まで下がってきております。豊島区の速報値のほうにつきましては、まだ出ていない状況ですので、最新のものといたしましては、28年となりまして、38名という状況になっているところでございます。

○木下広委員  いずれにしても、まだまだ、ゼロにはならないという現状もありまして、国のほうの法改正によって、都道府県また全国の自治体のほうで、この自殺対策についての計画が義務づけられていると思うんですけれども、本区は24年からセーフコミュニティ都市として、安心安全の都市として、既に実行されておりましたということからも、この辺についても、しっかりやられていると思うんですけど、本区についての、その計画の策定状況をちょっとお教えいただければと思います。

○関健康推進課長  委員御指摘のとおり、セーフコミュニティ活動がベースとなりまして自殺・鬱の予防委員会というものが立ち上がっておりますので、そちらの実績をもとに、本年委員会を少し人数をふやして、拡大委員会といたしまして、策定委員会をつくりまして、計画を策定したところでございます。1月にパブリックコメントをかけさせていただきまして、ほぼ素案が案という形でまとまっているところでございます。

○木下広委員  そういう意味では、ちょうどセーフコミュニティの取り組みと機を同じくして、そういう国としても流れの中で対策をとっているということなんですけども、やっぱり特に心配になるのが、鬱病の方だとか、その辺の方々の対策をどうとっていくかということで、本区においては精神障害者のアウトリーチ事業をお考えされているということも伺っておりまして、ちょっとこの辺の背景と取り組みにつきまして、お教えいただければと思います。

○関健康推進課長  今般、策定いたしました自殺対策計画の中で、地域にとって重要な課題ということで、重点施策というものを5つ挙げておりまして、その5つの中の1つが鬱病への対応と自殺未遂者への支援ということにしてございます。これを推進するために精神障害者アウトリーチ事業というものを立ち上げまして、地区担当の保健師、精神保健福祉士、精神科の医師といったような形でチームを組んで、未受診の方や治療を中断してしまっている方を支援していくものでございます。

○木下広委員  だから、未受診の方、要するに、足を運んでいただけない方がもうどういう状態になっているかで、一番心配だということはわかるんですけども、割合的には、どれぐらいなんですか。その家族だとか御本人がある程度、この受診というか、そういった足を運ぶ方と、あとそういうような精神的なものを持っていらっしゃっても、なかなか、そういうところには来ていただけない方というのは、やっぱり来られる方のほうが少ないとは思うんですが、どれぐらいの割合で来られているかというのは掌握をされていますか、どうでしょうか。

○関健康推進課長  保健師が精神保健の関係で訪問している件数といたしまして、1人の人に何度も訪問していたりということもありますので、実人数といたしましては、年間、大体155名程度の方に訪問しまして、訪問回数といたしますと、その2倍ぐらいの382件ぐらいとなっておりまして、やはり、1度では、なかなか済まないケースが多いかなと思います。

○木下広委員  150人ぐらいの方々には対策をとっていらっしゃると。では、それ以外の来られてない方についても、アウトリーチで、これからやっていくということで、大変にありがたいというか、御身内の方にとっては本当にありがたいことだと思います。要は、こういう自殺対策につきましては、役所だけではなくって、本当に、もう地域だとか警察だとか、いろんな関係する機関と、とにかく連携をとって、細かくやっていく必要があると思います。

また、御身内の方の負担も、大変にやっぱり大きいものがあって、お話を聞いていますと、もう本当に何とかしてあげたいんですけども、なかなか御本人のそういったところもあって、すぐには解決できないというところでも、糸口がやっぱりつかめると、御家族の皆さん方も本当に安心をされると思いますので、今後のこのような自殺また精神の障害の方についての対策につきましてのお考えをもう一度、伺わさせていただきたいと思います。

○関健康推進課長  今般、この自殺対策計画をつくることで、地域で暮らす、障害をお持ちの方が安心して暮らせるよう、家族も含めて支援してまいりますとともに、それをサポートするゲートキーパーをふやすということで、講座や講演会も広げていく予定でございます。

○木下広委員  あと、もう一つは、やっぱり地元の地域の方々に御理解をいただくというところも、これからもっともっと必要になってくると思いますので、町会だとか、あとはマンションとかの集合の建物なんかにいらっしゃるときは、もう余計、その人間関係が希薄になっているということもあるので、もう、そういう自治会、マンションの自治会の皆さん方とか、本当に地域の皆さん方にこういう、この精神の障害の方だとか、自殺というと、やっぱりちょっと構えちゃうところがあるとは思うんですけども、要するに、多様な方が、もう今このまちにも生活しているんだという意識を、やっぱり、これからはどんどん持っていただく必要が出てくると思いますので、そのような地域への意識啓発といいますか、その辺のことについても、とにかくしっかりと取り組んでいただきたいという思いがあります。

何かその地域の皆さん方へのそういった働きかけだとか、そういうものについては、何かお考えになっていらっしゃるか、お考えをお伺いいたします。

○関健康推進課長  今般の自殺計画の策定委員の中には、民生委員の方ですとか、地域で活動をされている団体の方ですとか、そういった方も入っていただいて、御意見もいただいているところです。

今後は、ゲートキーパー講座、地域の方が講師になっていただいて、地域で講座を開いていただくという形で、より身近な部分にも広げていきまして、理解を深める形をしていきたいと考えてございます。

○木下広委員  まとめます。平成24年にセーフコミュニティの認証都市ということで、安心・安全の豊島区がスタートしたわけですので、そういう意味では、この自殺というのは大変にしんどい問題ですけども、まだなくなってはいないという、そういう現実もありますので、関係の皆さん方の御努力をさらにお願いをいたしまして、発言を終わらさせていただきます。 以上です。