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平成21年 予算特別委員会・総括質疑

歳入不足の中、区民との信頼関係を深める施策判断を

2009年3月 5日

木下広委員

おはようございます。公明党4名の委員で、この予算委員会に臨みます。
中島副議長は副議長ということで大所高所から見守っていただきながら、時々こちらに来て発言があるかもわかりませんので、ぜひお楽しみにしていただければと思います。 いずれにしても、予算委員会、長丁場でございますので、前回の決算委員会では、西部区民事務所長が1日出てきて腰悪くして、ずっと決算委員会来られなかったというような実例もございますので、理事者の皆さん方も無理なさらず委員会に臨んでいただければと思います。
予算の概要等につきましては、一般質問等でもいろいろ確認をさせていただいておりますし、また、本日の自民党、民主党のいろいろなお話もありましたので、あんまり重複しないようにやりたいと思うんですけれども、まず、ちょっと確認のために伺いたいんですけれども、今年度の21年度の予算編成に当たっては、昨年の夏以降の急激な経済状況の中で、一番財源的に見込まれてきた、いわゆる東京都からの財調含め、東京都からの交付金が大幅に落ちるという情報があり、それで私の一般質問の答弁でも、区長から30何億円から41億円のマイナスになるというところから予算編成をせざるを得なかったというようなご発言がありましたけれども、今まで何にもない、こういうような経済状態でない場合は、ある程度、去年の夏から秋にかけて、秋から年末にかけて、大体翌年度の予算を確定して、それでもう年明けの1月の後半には大体各会派に予算のそういう概要の説明というのをされていたと思うんですけれども、やはり今年の場合はちょっと今までとは異例だったという、作業上のそういったところはあったんですか、ちょっとその辺をまずお聞きしたいと思います。

吉末財政課長

これは年末になって、12月24日に改めて財調が13億円も落ちるというような、そういうような試算結果がまとまりまして、改めて財源不足が拡大するということが判明したわけでございます。そうした中では、22年度以降の予算編成をきちんとにらんだ上というのが必要になるということで、これは、そうした中で、12月24日付で政策経営部長名で各全部局に事業費の2%削減、そういうような通知を出させていただいたような状況でございまして、通常、年末でほとんど予算編成が終わるような状況でございますが、それが年始にずれ込むような状況で、それほど厳しい予算編成を強いられたというのが現状でございます。

木下広委員

そういうことで、異例というか、近年にないそういう厳しい中での予算編成をされたということで、ということは、政治的な判断というのは、その時々時々の、いわゆる社会経済状態を見ながら、本区としての方向性を長期的に、中期的に、そして近い将来をどうやっていくかという3つの視点があると思うんですけれども、そういう意味では、通常重ねてきた来年度の予算編成の内容が、年末である程度ぎゅぎゅっと縮小せざるを得なかったというか、そういうようなもとで始まっている予算ということでございますので、そういう意味では、そういうじっくり腰を落ちつけて、これとこれとこれだけは絶対やってとかという、通常のそういう積み重ね以外の要因で、予算編成をせざるを得なかったということがありますので、そういう意味では、逆に言うと2%マイナスで新たに組み直したという作業についても、長期的に、中期的に、短期的に考えた場合は、短期的にはそうせざるを得なかったわけですから、それはもうしようがないんですけれども、やはりその辺の判断というのは、しっかり、これから実際もっともっと時代が変わっていきますので、見ていく必要があるのかなというのが、私どもの感想でございます。 もう一つは、ここまで社会情勢、経済情勢が厳しいところに立って、何遍もいろんな方からもご質問があるとは思うんですけれども、やはり行政としては区民の生活、また生活している方々にある程度希望を与えるというか、プラスの要素というか、そういう積極的な財政の出動をしながら、区民の皆さんに安心していただくというような面も、やはりこういう時代だからこそ、そういうような判断もしていく必要もあると、そういう私どもは認識を持ってます。だから、もちろん現実問題として入ってくるのは少なくなっちゃうので、それはそれなりに歳出の方も抑えないといけないという、それはもちろんわかるんですけれども、行政の使命としては、それ以上にやはり区民の皆さんからお預かりした税金を皆さん方にサービスで予算の執行をしていくということにおいては、少なくなったから削ってとかということではなく、プラスアルファの部分で区民の皆さんに還元をするというとあれですけれども、区民の皆さんの生活を向上させるというような、いろいろな政策を推進していくという、そういう一面も必要だと思うですけれども、その辺の認識はどうお考えになっているのか、ちょっと伺いたいと思います。

横田政策経営部長

まさしくご指摘をいただいたとおりだと私も思っております。
我々、区民の皆さんから税金をいただいて、区民の皆さんのためのいろんな仕事をさせていただいております。その基本は、今の区民の皆さんへのサービスを維持向上させていくと。一方で、ご指摘のように、財布の中は決まっていますので、ですからその中で維持向上させる部分だけでは足らなくなりますので、それをどううまくバランスをとって、時代に適した事業を展開していく、そして役割が終わったと思われるものは、きちっと事業を見直しをしていく。そういうことで、いわゆるスクラップ・アンド・ビルド、本区で今ビルド・アンド・スクラップという逆の言葉の使い方をしていますけれども、そういう視点を常に念頭に置きながら、区民の皆さんが消極的に萎縮するような、そういう状況にならないような、そういう行政をこれから進めていかなきゃいけない。これまでもそうでしたし、今後もそういう姿勢で進めていきたいと、そういうふうに考えてございます。

木下広委員

そういうことも含めまして、もう1点は、やはり歳入の割合の中で大きなウエートを占める区民税と、あと東京都からの交付金の考え方なんですけれども、一般的に考えると、景気が悪くなると区民の皆さんのお給料も少なくなって収入も減るので、来年度の区民税というのは厳しくなるんじゃないかという、そういう考え方があるんですが、本区においては若干人口が増えぎみということもあって、収入の中で大きなウエートを占める区民税の考え方については、例えば21年度もプラスですよね、22、23年度については、もちろん景気動向をこれから見ていく必要はあると思うんですけれども、どのような認識を持っていらっしゃるのか、ちょっとお教えいただければと思います。

小澤税務課長

ただいまご指摘のように、21年度予算につきましては、全人口が21年1月1日段階で、対前年比0.37%増と、豊島区の場合には人口が0.37でございますが、納税義務者については1.5%程度伸びるだろうということでございます。特に区民税については翌年度課税ということでございまして、このような形で景気が悪化したのが秋口以降ということでございましたので、21年度については調定額については相当なものが期待できると。問題は、それをどう徴収するかということに課題がなってくると。 今ご指摘のように、22年度以降は、政府、内閣府で出しています昨年の10月から12月の景気動向、2月になって発表をされております、それを受けて主要なシンクタンクがやはり来年度の動向を出してございますが、軒並み大幅な前年比減というダウンをしてございまして、22年度以降はかなり厳しい状況が想定されるのではないかというふうに考えてございます。

木下広委員

一方、特別区交付金以外で、それ以外でも利子割交付金だとか配当割交付金だとか、その辺も、21年度の予想だけでも大分減っていると思うんですけれども、やはり22、23年度、ある程度のそこの予想を考えると、この辺の利子割を含めてどういうような見通しを持っていらっしゃるのか。

吉末財政課長

先程申し上げました利子割や配当割、株式等譲渡所得割、これにつきましては企業収益も密接に関連してくるところでございまして、例えば今、私どもで見込むとすれば、日銀の21年度のGDPの経済成長率が2%減とか、そういったところで見込まざるを得ないのが現状でございます。

木下広委員

そういう意味では、私も平成7年から議員として活動させていただいてますので、今までにないような、何かもやあんとしたというような状況の中での財政運営とか区政運営ということで、あらゆる意味で、いろんなところに気を配って、今まで以上にやっていく必要があるなということを実感して、また今回の予算委員会に臨ませていただきたいと思います。
その中で、1点、そういう厳しい時代になっているからこそ、要は区民の皆さんとの信頼関係というか、それをつくっていくというのが非常に大事になってくると思うんです。だから、行政と区民との信頼関係は、一言で言うのは簡単ですけれども、いろんな状況があって、職員の皆さん方の区民の皆さんとの対応の仕方だとか、あとはいろんな席での区長だとか、又は議員だとかが、区政に対する考え方を述べるときのそういったものについてもあれだろうと思うし、また、お子さんがいらっしゃるご家庭においては、やはり自分の子どもが行っている区立の小学校や中学校がどういう内容でこうやっているかとかという、すべてにわたっての納税者である区民の皆さんと、税金を執行する行政の立場といいますか、行政が、信頼関係のもとでやっていかないといけないという厳しい時代だからこそ、本当にそれが望まれているのじゃないかなというのを思います。 その中で、やはり一番区民の皆さん方から私どもに言われるところは、区の職員の数については2,000名体制を目指してやってきてるんですけれども、職員の数を減らすだけではなく、片方としては区民サービスの低下を招くのはやはりよくない話で、それは本末転倒の話になってくると思うんです。だから、一方では、区の職員が多過ぎるみたいな、一般的なそういう民間の皆さん方のこうこう厳しい意見はまだまだ、やはりここまで社会情勢が厳しくなると、企業ではワークシェアリングだとかいろいろな状況で大変苦労されている労働者の皆さん方もいらっしゃるし、収入もやっぱり落ちてくる、その中で、区のそういう職員の体制といいますか、そういうものについては、非常にやはりもっともっと厳しい目で見られていくという時代になってくると思うんです。 もう一方では、区民サービスをやはり落とすことはできませんので、一つは職員の数を減らす方向については、ある程度、多くの区民の皆さん方から賛同を得てると思うんですが、一方でいろいろな区民へのサービスについて、民間のNPOだとか、ボランティアの皆さんだとか、そういう地域の皆さん方にご協力いただきながら、地域の区民の皆さんと一緒にまちづくりをやっていくというか、そういう意味では協働ということがこれからもっともっと必要になってくるんじゃないかなと思います。
それを言ってたのはやはり地元のPTA経験されているような人たちで、例えば高齢者の見守りだとか、また子どもさんたちの放課後対策事業等にしても、もっともっと地域の人を使っていけば、お金もかからず、高齢者の皆さんが、また子どもさん方が喜んでというか、もうすばらしいコミュニティができる、またそれが行政サービスにもつながっていくというような意見をこの前いただきまして、そういう意味では、厳しい財政状況だからこそ、住民の、区民の皆さん方の協力を得て区民サービスを進めるという、そういうところの考え方、これから必要だと思うんですけれども、その辺についての認識というか、取組みについて、何かご意見がありましたら、お願いしたいと思います。

高野区長

先程来いろいろと財政状況の示唆とか、あらゆる区民サービス等とも含めて、今後の取組み方のいろんなお話いただきました。現在の世は百年に一度の不況というような形で、危機的な状況でありますけれども、こういう危機に面したときこそ、職員が萎縮して、そしてまた守りに徹するというような形にいけば、ますます区政も沈滞してしまうわけでありますので、将来へのいろいろなことを視野に、視点に入れて、様々なそういう取組みを積極的に進めていくという、この危機の状況だからこそ、私は必要ではないかと思っております。
危機を改革と成長のエネルギーにしていくことを、今回、私たちがこの予算を組むに当たっての基本的な姿勢として掲げているわけであります。そしてお話のように、こういう無駄を省いてといいますか、職員も削減をしていかなきゃいけないし、それに反動した、区民へのサービスの低下につながっていくという、両面を持ってるというようなご指摘、まさにそのとおりであります。けれども、こういうときこそ、区民の信頼をかち得て、そして区民とともにこの行政をやっていく。私の今までの経験の中で、この豊島区がこのような大変な危機を乗り切ってきたというのは、区民に対して情報公開といいますか、すべての財政状況を含めて透明にしていく、すべてを区民に示していくということが、行政改革の第一歩でありました。
正直言って、私が区長になったとき、いろんな資料を全く私自身がわからないんです。わからないというか、全く財政なら財政だけしかその資料を出してないというような形で、恐らく議員の皆さん方にも、かなりいろんな面でいろいろなご指摘があってもなかなかその情報が公開されないし、特にもう区民は全く行政のことはわからないよというような状況であるだけに関心は全くないというような、そういうような閉塞感を私は持っていたのではないかな。この改革をするには、それがまず基本であるというようなことから、大変時間もかかりましたけれども、10年間の中で、私は豊島区としてはあらゆる情報公開を進めてきて、そして、それがやはり区民の信頼と理解につながっていくというようなことではないかな。
今回、大変な構造改革の中で、地域区民ひろばとか、あるいは様々な、出張所の廃止から始まり、そして児童館、あるいはことぶきの家等々、構造的な大きな改革を豊島区が今進めているというのは、すべてのことをやはり区民に理解をしてもらわなきゃできないわけであります。
そういう中で、まだまだ道半ばでありますけれども、区民の協働と参加というようなことで、地域自治に関する推進の条例等々からスタートして、地域協議会というような形の中で、これからの区民と行政とのあり方というような形の最終答申も先般いただいたわけでありますが、それにはやはり住民の協働と参加というような形で、これから積極的に住民の参加が得られるような、そういう行政をしていかなきゃいけないというような示唆をいただきました。これらについて十分これからも検討いたしまして、今お話のように、区民からの信頼を受け、また区民の協力、やはり自分たちの区は自分たちでつくり上げていくというような、そういう意識も広げていき、またこういう厳しい財政状況の中で、行政も議会もこれだけ頑張っているんだというようなことも、区民にも十分にご理解をいただくような、そういうことを積極的に進めていかなきゃいけない、そんな思いをしておりますので、今のご意見を十分賜りながら、今年は特段にかつてない、21年度予算というのは豊島区にとっても大きな転換期になる予算ではないかと思っておりますので、心してこの予算についてこれからご審議もいただくわけでありますけれども、我々職員も今お話ししたように、萎縮することなく、守りに徹するんじゃなくて、我々自身の、職員の力も磨き上げて、行政のプロとして、また区民の理解を得られるような、一体となったまちづくりができるようにご議論もいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

木下広委員

最後にします。そういうことで、ちょっと近年ない厳しい状況の中での予算委員会でございます。
最後に、やはりそういう厳しい時代だからこそ、一つはスピードというか、その状況に合わせて、これが必要だといった場合は、ばさっと、そういう生活を守るいろいろな区民への判断がされた場合は、やはりスピードというのも必要であると思います。 先程、冒頭に確認をしたように、今回の予算については、12月24日から、また短期間でばさっと組替えをしたというか、マイナスの組替えをしたという時間のない中で、そういうような判断をせざるを得なかった状況はわかりますけれども、ただ同時にどんどん状況が変わってきますので、ある程度、区民サービスでこれが必要だという判断になれば、それはスピードをつけて判断をして、アグレッシブに対応していただくという、そういうことも必要だと思いますので、ぜひそれを望みながら私の発言を終わらせていただきたいと思います。

高野区長

スピードと勇気を持ってやっていきます。