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平成18年 予算委員会・総括質疑

2006年3月 2日

区長と現場の職員の意思を統一し区民サービスに努めよ

木下広委員 

公明党4名でございますが、池内副議長はこちらの席でおられますので、メインは3人でこの10日間をやらさせていただきます。
平成18年度の予算編成につきましては、一般質問、また先程の総括の説明の中で概要をご説明いただいたわけですけれども、特別な財源措置を講ぜずして編成できたということで、ある意味では非常に喜ばしいことなのかなと私ども一般質問では申し上げさせていただきました。 私の方からは、ちょっとどっちかというと、精神的な部分でちょっと1、2点確認をさせて、総括質問という形でやらさせていただきたいと思います。
まず、予算ですので、歳入があって歳出があるということなんですけれども、18年度の予算編成に当たって、特別な財源措置を講ずることなくできたということは、まず歳入の面で、要するに平成17年とか16年の予算編成のときと違って、歳入の面ではどういうところが見込めて今回の予算編成がやられたのかという歳入の面で、ちょっと細かくというか、先程、説明がありましたけれども、確認をさせていただけばと思います。

吉川財政課長

この間、歳入環境としては、やはり景気の回復というものが、かなり確かになってきたという部分が、これまでの16、17あたりの予算編成とは大分そういう財政環境が異なるものと思っております。
特に具体的には、やはり区民税につきましては、これは個人所得が発生の源なんですけれども、今現在、個人所得の伸びというのは、さほど見られては、実はいないんです。これからそういったものは期待できるのかもしれないんですが、区民税につきましては、圧倒的に税制改正によります増ということでございまして、定率減税の2分の1圧縮、これで13億程度の違いが出てまいります。それからあとは老年者控除とか、いろいろな諸控除の見直しが図られたという点が個人住民税については非常に大きな影響だったと思います。 それから、もう1点は、やはり二大財源の一つと言われる財調の部分で、これは17年度のいわゆる再調整から、非常に大きな、いわゆる法人住民税の伸びがございまして、それが18年度の都の予算の調整三税の中でも、その伸びがかなり大きく出ております。ですから、あくまでもそういう景気の変動によります伸びを見ますと、相当これから上方修正をしなければならないということで、歳入の増ということが見込まれるということでございます。

木下広委員

そういう客観的な時代の推移の中でのそういう歳入の増というのが見込まれるということなんですけれども、もう1点、私どもが考えるには、これまで取り組んできた、特に歳出の面だと思うんですけれども、行革をいろいろやってきて、今まで職員がやっていた仕事を民間にお願いをしたり。あと、正規職員の数をできるだけ抑えて、といいますか、その分を民間の人たちにやる。
要するに、何が言いたいかというと、区民の皆さんに、この5年間、6年間、7年間で大変な、いろいろな心配だとか、ご苦労をおかけした結果が、やっぱりそういう意味では大きく出てくるというか、そういうような形の実績といいますか、成果といいますか、これは今年度の予算編成だけじゃないと思うんですけれども、今まで取り組んできた行革の成果については、これからもそうなんでしょうけれども、今予算を編成するに当たっては、どういうような成果の認識をもって予算編成されたのかというのは、ちょっと確認をさせていただきたいと思うんです。

吉川財政課長

確かに、これまで様々な区民需要につきまして、いろいろご理解をいただきまして行革に取り組んできた部分でございます。一方、それによりまして財源不足をとにかく解消していくというところが目的だったわけでございますけれども、それを何のためにするのかということは、やはり将来への備えということが一番肝心だろうと思っております。その意味で、これまで取り組んできました行革の中で、やはりスリムな行政。小さな政府と、今言われておりますけれども、豊島区も規模が相当行政の肥大化に伴って、ある時拡大した部分もございます。それをこれからの時代に向けてスリムにして効率化を図っていくというところが、非常に重要だろうと思っております。
その意味で、今回の予算編成に当たりましては、やはり人件費の削減というものが、大きく7億ほど出ているわけでございます。これらも、そういう事業の執行体制そのものを見直して、民でできるものは民間にやっていただくという、民と官のそういう協働、役割分担というものをしっかりと捉えていくと。その上で経費の節減を図っていって、それで区民需要に応えていく。将来のそういった今後見込まれる需要にも、そういう体制で臨めるような、そういう質的な改革を図ってきているものと思っております。まだまだ途上にはありますけれども、これからもそういう方向で進むべきだと認識しております。

木下広委員

そういう意味では、明るい兆しの中での今後の財政運営ということもありますので、やっぱり今まで本当に、これからもいろいろご協力いただくわけなんですけれども、今まで区が進めてきた行革の成果ということについては、あらゆるところで区民の皆さんに成果を報告しながら、今後の行革を進めていく、プラン2005を進めていくについても、そういうようなご説明が必要だと思いますので、その辺のご努力をお願いしたというのが1点でございます。
もう1点が、一般質問でもやらさせていただきましたけれども、枠配分の予算編成が2回目というか、2年目ということで、去年は137億、100億ちょっと超えたぐらいの枠の配分であったということで、それが今年は約500億ぐらいの規模まで拡大をしたということで、そういう意味では区民にわかりやすい、各部局が責任を持って進めていくという意味では、非常に評価できるところなんですけれども。全体の60%近い金額を枠配分でやったということは、逆に考えると、予算編成に当たっては、現場からの要望と財政当局の抑えろというやりとりが大変すごいものがあったと思うんですけれども、その辺は去年と比べて今年は例えば時期を早めてやったのか、ちょっとその辺の去年と違う枠配分の、要するに編成に当たって、どういう形でやってきたのかというのを、もうちょっと詳しく教えていただければと思います。

吉川財政課長

確かに2年次目となりますこの枠配による予算編成でございます。ただいま委員がご指摘のとおり、今年は約499億、500億ぐらいの規模の枠配を行ったところでございますが、確かに各部局では、この緊縮財政の中でも日々区民需要を受けて、何とか区民要望に応えたいというところでの要望額というものは相当大きなものがございました。
ただ一方では、やはり財源不足を解消しつつ、行革にも取り組みつつ、この予算編成をしていかなければならないと。この過程の中で、非常に、やはりその部局のこれからの区民需要に応えたいという要望と、やっぱりそういう財政の全体の枠の中で、どうそれを縮めていくかという、そこに大きなある意味では利害の、対立とまでは言いませんけれども、あったと思います。
今年の予算編成につきましては、これは各部局からのご要望もあったんですけれども、やはり予算編成の過程がわかりにくいと、そういうご意見もありまして、今年は全部局長さんに、とにかく予算会議には全部入っていただきまして、その中での財源の問題ですとか、あるいは配分の問題ですとか、その辺のところと、一方で進められている行革による効果というものを踏まえて、決算ベースから洗い直した需要と、それから新規の需要というものをどのように予算編成していくかという、その過程をすべて全部局長さん参加の予算会議の中でやらせていただいたので、相当そこの中では激しいやりとりもございましたけれども、いわゆる一つの情報の共有化というものは図られたんではないかと認識しております。

木下広委員

情報化時代ですので、区民の見る目からすれば、どういう過程で900億近い豊島区の予算が編成され、またそれが執行されるかという一番大事なところであると思いますので、そういう各部の各枠に応じた配分ということは、その現場の職員の皆さんのやる気だとか責任感だとか、要するに責任というのが本当に明らかになって、透明性のある区政という面では非常にいい取り組みだと思います。ぜひとも、毎年毎年そうだとは思うんですけれども、各現場の職員、特に理事者の皆様方におかれましては責任を持って区民の皆さんに説明し、執行していくというところで一生懸命取り組んでいただきたい。
もう一つ僕はちょっと気になっているところは、労働組合の新年会に行ったときに、「公務員バッシングの厳しい時代に」というような言葉が聞こえたんです。僕たちは行政改革を進めていくべきだ、厳しい財政の中で行革を進めていくべきだという。限られた、区民からいただいた貴重な税金の有効な活用においては、無駄を排して、できるだけスリムな行政にしていくというのが私どもの立場ですので、そういうような主張は今までも展開してまいりましたし、これからもやっていくつもりなんですけれども、公務員をいじめているとか、バッシングをしているとか、そういう意味は毛頭ないわけです。僕はあれはショックでしたよね。どういう意味で言っていらっしゃるのか、僕は細かくよくわかりません。その言葉、どなたかの幹部の方の発言を聞いただけですので、それはどういう意味ですかと聞けばよかったんでしょうけれども。
そういう意味では、いわゆる区長が進めていく、目指す区の方向性といいますか、取り組んでいく、そういう身の丈に合った豊島区の形をつくっていくという、そういうもとにおいては、そういう大きな、変な話、社長がそういう方向を向いているなら、やっぱり一番区民と接する現場の職員も同じような気持ちに立ってやってくれないと。それをチェックすべき議会の側としたら、社長がこう言っているんだけれども、現場はこういっていて、じゃあ、僕たちはそれについてどういうのかという、その辺の矛盾が出てくると、非常に不幸になると思いますので、枠配分で予算を組んで、各部署の責任が今まで以上に明確になってきたというところは、こちらとしても理解するところなんですけれども、それ以上に職員さんにおいても、これは昔から言われていることなんですけれども、特にその辺、各現場で責任を持って区政の運営に当たられていくという、そういう姿勢がこれからはもっともっと大事になってくるんじゃないかと、そういうような気がいたしますので。
ちょっと細かいことを言うと申しわけないんですが、もう1点は、よく私どもはお困りの区民の皆さんから区民相談を受けるわけですね。それで、私どもで調べたり、アドバイスした上で、理事者の方にお願いを、お願いというかアドバイスを受けたりするんですけれども、その相談者が係の現場に行きますと、「あなた、なぜ区議会議員さんに相談したんですか」という言い方をされるというのが、結構、最近多いんですね。だから、これはどこの部署とか、そういうのは言いませんし。本当に区民は困って、私どものところに相談に来るわけです。私どもに来なかったら、直接その方は現場というか職場には行かれると思うんですけれどもね。だから、僕たちも相談を受けて、この方の解決は一番いいのはどういう方向でしょうかということで理事者の皆さん方に相談に行くという、そういう作業をしているだけであるのに、現場の職員から「あなた、なぜ区議会議員さんのところに行ったの」と、「区議会議員さんに言ってもだめなのよ」とかと言われる方もいらっしゃるんですよ。 だから、この辺の区の方向性だとか、区長の気持ちだとか、そういうことはもちろん私どもも理解しているんですけれども、その辺、私どもからすると、やっぱり「全庁一丸になった」というよく表現を使いますけれども、これはやっぱり組織ですので、大変に難しいとは思うんですけれども、ただし区民から見ていると、その辺の部分が一番大事になってくるんではないかなという、区政への信頼というのは、そういうところから出てくるんじゃないかなという、そういう気がいたしますので、個別、私どももこれからまた皆さん方にいろいろご提言もしながら、またアドバイスもいただきながらやっていきますけれども、18年度の予算のスタートに当たりまして、ちょっとその辺の確認だけさせていただきながら、私どもこれからは予算の審査をやっていきたいと思います。

高野区長

前半部分は私の方で答えさせていただきますが、確かに組合、公務員と経営者である私の考え方の違いがこれが大きな、やはり区政の進展には効果がないというようなご質問も含めながら、実は平成17年、23区のルールを破って職員給与の削減に踏み切ったわけでありますけど、そのときに約1カ月間、私は組合の方々と相当じかでお話をしました。今までは私は、そもそも区長になったときは、組合との初めての会合のときに、この豊島区はあなたが経営者ですよ。私たちは従業員ですよ。ですから経営者の言うことをやっぱりやって、そして、結局信頼してやっていくわけですから、それは十分わきまえてくださいよというような話でありました。
それが非常に私も頭に残っておりますが、やはり、今おっしゃるように、豊島区全庁挙げて同じような気持ちを持っていかない限り行政改革はできないよというような、そんな思いもありましたので、その1カ月間はそれらについて、とことん組合とも話したつもりでございます。それによって当初の目的よりは、多少率は下がったかもしれませんけれども、こういう形で職員が理解してくれたということは、私だけの経営じゃなくて、皆さんも同じような責任を持ってやっているんだから、皆さんと同じような気持ちで豊島区を運営していきたいということを私は再三申し上げ、そして皆さん方も、「そうだよな、区長よりかは我々長く豊島区にいるんだものな」というようなご意見も確かにありましたけど。やはり情報もきちんと出して、そしてお互いにいろんなことを論議をしながら、そして一緒になって考えていくというのには、最終的にはなかなか一体になりませんよ。けれど、やはりそういうような形の中で、うちの豊島区は進んでいるのではないかという面で、私はそういう面で大変、もう二度とやらないというような形で、職員給与の削減というような形で、私は非常に得たものがたくさんりました。それがこれからの豊島区政のいい方向の中で労使の間でもお互いに理解しながらやっていくという形はぜひとっていかなきゃ行政改革はできないと思っておりますので、その辺はその、まだまだ緒についたばかりでありますけど、その辺のことについて私の考え方等々もお話をさせていただきました。
後半部分、区民の信頼というようなことも含めて、助役の方から。

水島助役

後段の部分のお答えといいますか、ご説明をさせていただきたいと思います。
大変大事な、貴重なご意見として拝聴させていただきまして、真摯に受けとめさせていただきたいと思います。
改めるとこがあれば改めねばなりませんが、いずれにいたしましても、行政と議会の議員さんとが連携をいたしまして、協力をして区民の個々のニーズに応えるという姿勢が何より大事ではないかと思います。
ただ、ご質問の中で具体的にお話しになられました件については、私ども承知していないものですから、ちょっと、改めて後程お聞きした上でお答えをさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

木下広委員

終わります。