平成31年予算 ⑦ 公債費以降歳出・歳入 木下発言( 3月12日)

環境性能割・森林環境譲与税の使い方

○木下広委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
31年度の当初予算の中でちょっと聞き慣れない言葉が、歳入の件で出てきたので、ちょっと教えていただきたいと思います。
まず、環境性能割について記載をされておりますけれども、この概要について教えていただきたいと思います。
○三沢財政課長  環境性能割、確かに聞き慣れない単語なんですけれども、こちらは平成の28年度の税制改正によって設定されたものです。消費税の10%増税時に現行の自動車取得税、これを廃止するとともに、自動車税、これは都税ですが、都道府県税及び軽自動車税、これが市区町村税になります。この2つの税目において、環境性能割を導入することが決定されたものです。従来、自動車税と軽自動車税につきましては、車の所有に対して課税しておりましたが、環境性能割は車の取得時に課税されるものでございます。なお、新車、中古車を問わず、自動車の取得価格に対して、省エネ法の燃費基準の達成度に応じて、大体3%までの範囲内で課税されるというふうに説明を受けております。都税でありますところの自動車税、これにつきましても、環境性能割というのがつきますので、そのうちの65%が各市区町村に環境性能割交付金として交付されることになりますことから、31年度の当初予算書から初めて出てきた税目ということになります。

○木下広委員  65%が市区町村にということでございます。従前から、自動車取得税交付金というのがあったと思うんですけれども、本区においてのこの取得税の今までの傾向と、あと、この環境性能割についての見込みというのはどういうふうに見込んでいらっしゃるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○三沢財政課長  これまで、この数カ年の自動車取得税交付金の推移でございますけれども、大体、若干のばらつきがありますが、2億円から2.5億円の範囲内で交付金として、本区に来ておりました。これが31年度は10月から消費税10%になりますが、今年度、当初予算では、その約半分の1億2,500万を予算計上しているところです。

なお、環境性能割交付金の歳入見込みですけれども、31年度につきましては、約3,700万円、通年度化しますと、32年度以降は7,400万円というふうに見込んでいるところでございます。

○木下広委員  ということは、この歳入については使い方ですね、使い方というのは、何に使っちゃってもいいのかどうなのか、何かそういった方向性あるのかどうなのか、その辺はどうなんでしょうか。

○三沢財政課長  この交付金ですけれども、従前の自動車取得税交付金と同じく、いわゆる一般財源の扱いとなっておりますので、特定の目的のために交付されるものではなくて、何に使っても構わないというような位置づけとなってございます。

○木下広委員  あと、31年度から新たに森林環境譲与税の項目があると思います。こちらについても、一応、その概要を教えていただければと思います。

○三沢財政課長  これは直近の税制改正で新設されたものです。30年度、今年度の税制改正で新設されまして、31年度から森林環境税と森林環境譲与税、この2つが創設することが決定されたものです。

まず、この森林環境税でございますけれども、趣旨といたしましては、国民全体で森林を支える仕組みを構築、運営していくための財源として創設されるもので、これは国税となっております。ただ、徴収の方法ですけれども、国税ではありますが、個人住民税の均等割、これを使いまして、住民税の均等割の徴収にあわせて、私ども市区町村が年額で1,000円ですね、賦課徴収するものです。ただし、御承知のとおり、平成35年度、2023年度までは東日本大震災に伴う復興、いわゆる復興増税、これも同じく年額1,000円が均等割に賦課されておりますことから、二重になってしまうとちょっと厳しいかという配慮もあることから、森林環境税の課税開始は平成36年度、2024年度から実施されることになっております。

一方で、これを、国税を財源としまして自治体に交付されます森林環境譲与税でございますが、これにつきましては、大体、現時点では200億円ほど、自治体に国から交付されるというふうに見込んでおります。ただ、その後、徐々に交付額が増えていきまして、最終的には600億ほどまでになるだろうというふうに計画を国はしているところです。譲与時期ですけれども、平成31年度は9月と3月の年2回交付を受けるというふうに聞いております。

○木下広委員  この使途については、間伐や人材育成、また担い手の確保などとするということになっていると思うんですけれども、これについては、本区については、どのような形で取り組んでいかれるおつもりなのか、お答えいただきたいと思います。

○三沢財政課長  31年度予算におきましては、環境政策課のほうで新しく取り組もうとしております自治体間連携によるカーボン・オフセット事業経費に充てたいというふうに考えてございます。この事業の詳細につきましては、恐れ入りますが、担当課長のほうから事業内容を説明させていただきたいと思います。

そのほかには、既存の事業といたしましては、同じく環境政策課になりますが、誕生記念樹の配布事業経費でありますとか、「グリーンとしま」再生プロジェクト事業経費、こういったものも緑の普及、あるいは長い目で見ましたら、森林部分の保全にも資する事業だと思っておりますことから、こういった事業への拡大、拡充事業経費にも充てたいというふうに考えております。

○小野環境政策課長  財政課長から御指名もありましたので、新規事業の自治体間連携によるカーボン・オフセット事業、簡単に事業概要を御説明させてください。

財源は今の森林環境譲与税でございますけれども、自治体間、来年度は、秩父市をターゲットにいたしまして、秩父市が持っている森林をお借りしまして、そこで、豊島区内でできないダイナミックな環境教育といいますか、環境体験をしていただこうというふうに思っております。秩父市とは、今、自治体間連携ということで移住などの企画課でやっている事業もございますけれど、環境ということに今回はターゲットを絞りまして、今後区民の皆様方に体験学習をしていただこうというようなことを、秩父市と今、進めているところでございます。詳細につきましては、また秩父市と詰めました後、また議会のほうにも御説明したいというふうに思っております。

○木下広委員  ということは、うちはその秩父とのそういう交流の下でのカーボン・オフセットの事業ということで、ほかの自治体でも、何かいろいろな形でやられると思うんですけども、何か情報がありましたらお教えいただければと思います。

○三沢財政課長  この新しい歳入を使って、どういった事業を展開しているかといったもの、これは国に対して年2回報告することが義務づけられております。このことから、北海道から沖縄まで全ての自治体において、こういった事業に充てるつもりだ、予定だといったことがリストとして出されております。この中で、23区の重立った事業をちょっと簡単に拾ってみました。まず、港区では、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度といったようなものであるとか、新宿区では、長野県の伊那市と地球環境保全のための連携協定、これはひょっとすると、内容的には今、環境政策課長が申し上げたような森林部を持つ自治体との連携事業に類するのかなと思っております。同様に世田谷区でも、群馬県川場村と相互協力協定に基づく森林づくり、隣の板橋区さんでは、日光市との「みどりと文化の交流」協定に基づく木材利用と環境教育といったようなことを展開していきたいということを伺っているところでございます。

○木下広委員  緑だとか、川とか、森とか、畑のない本区においては、歳入の確保もあるということからいろいろ期待をしたいところでございますけれども、もう一度、この森林環境譲与税についての、この歳入の見込みについて、今のところ、わかっている範囲で年度ごとにどれぐらいの予定をされているのかということをお答えいただきたいと思います。

○三沢財政課長  平成31年度から新規に交付されますが、まだ1年目は、森林環境税そのものの課税がなされていないということもありまして、スモールスタートで国は交付するということでございます。それによりまして、本区への交付額も1,000万円ほどというふうに見込んでいるところでございます。これも、冒頭申し上げましたとおり、徐々に交付額を増やしていくということですので、最終的には、本区への譲与額も3,000万円ぐらいにはなるだろうというふうに見込んでいるところです。

こういったことから、現在は、31年度当初予算における充当事業としましては、先ほど環境政策課長が申しました秩父との連携事業ということですが、額が増えていく、あるいは秩父市さんとの事業の実施状況、これが非常に区民の皆様方に好評であるということであるならば、他自治体、豊島区、秩父市さんだけではなくて、ほかの友好姉妹都市、多々ございます。そこには森林を、豊富な森林資源を持ってらっしゃる自治体もあるというふうに伺っておりますので、他の自治体との同様の事業といったものを拡充することを検討していきたいというふうに考えているところです。

○木下広委員  まとめます。新たな歳入ということで、これから大いに期待されるところでございます。やっぱり子どもたちには、義務教育の間に、そういう自然に触れられるということが非常に大事かと思いますので、教育委員会と環境清掃部さんと連携をとりながら、よりよい事業にしていただけますようにお願いを申し上げまして、私のほうは終わります。

○三田教育長  今、委員から大変重要な御案内いただきましたとおり、私どもも、この環境、森林を使った環境、カーボン・オフセットという考え方ですね、そして、地域の違いによって自分たちも自然の体験学習をした折にそうした環境税について考えると。そして、子どものときからやっぱり日本全体、世界全体を見ながら、持続、発展可能な環境について、高い意識を持って子どもたちが生活できるように、しっかり計画を練って、協力しながら、環境課と一緒にやってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。