三重県松阪市の地域マネジメント「朝見地区協議会」を視察しました。きっかけは、豊島区での自治基本条例に基ずく、区民ひろば、地域協議会つくりがなかなか進まない状況を鑑み、先進自治体をさがしていたところ、三重県の伊賀地域の取り組みを取材したところ、「松阪市の朝見地区の協議会がはるかに進んでいる」と紹介をうけ、この度の視察になりました。
松阪市は平成17年平成の大合併で、人口が約16万人に、それまでの面積が何倍も増え、伊勢湾沿いから吉野桜の奈良県吉野近くの県境まで市の範囲が増えました。それぞれの地域を「小学校単位」で地域マネジメントを進めています。朝見小学校地区は人口約2千2百人。10の町会・自治会、敬老会、趣味のサークル、PTA、消防団から、地区協議会に代表を送り、「地区協議会」が全ての地域活動の最上位機関として、「地域の課題を地域住民が決定」していくシステムをつくりつつあります。
当然のことながら、町会・自治会の代表は「協議会と町会とどちらが偉いいんだ!」という、旧時代的な思いがある中、「みんなで地域をまもり、地域の活性化をはかる!」という思想を、2年間かけて、ひざ詰めで各町会・自治会の会長さん、役員さんに理解していただくことを、「協議会」の方々が自ら説明を行ってきました。新しい取り組みを、」市職員が説明するのではなく、地域の方が説明に回って、環境を醸成してきた努力に大いに学ぶべきものがあります。
人口約2,200人、500世帯の同地域で、大震災を想定した防災訓練の参加者は第1回が約400名ほどがあつまりました。この防災訓練は回を重ねるごとに発展して、当日仕事などで参加できないかたは、町の集合場所にカードを提出して、世帯の約7割の方が、協力するなどの成果が上がっています。小さいことでは、「飼い犬が迷子になった」という情報を、地区協議会通じて全町会に発信して、見事にもどった。「子供をねらう不審者がいる」ということで、地区協議会の方々が、1日、登下校時に2回パトロールに回ることとなったり、「認知症の高齢者が増えてきた」町で、認知症の人への対応方法を、勉強会を重ねて、見守っていくこととなった。などなど。
さらに、同席していただいた、超・優秀な松阪市まちづくり推進課長の大山さんからは、今後地域協議会の決定を、松阪市の“総合計画”に盛り込んでいくことを考えておられるとのことです。当然、現在、自治基本条例検討会で審議中の自治基本条例の中にも、このような協議会での決定を最上位にする方策を盛り込みたいとのことでした。
しかしながら、従来の地域の行政窓口であったことが、非常に難しい点も含んでおり、例えば、地区協議会の拠点である、公民館の運営を協議会にお任せする「指定管理者」導入も考えているところですが、現在、行政の福祉分野の種類発行業務が公民館になっている現状があり、「プライバシー保護」との壁が大きな課題になっていることなどもご説明いただきました。
滋賀県草津市の市長さん、市町会連合会会長さん以下50名がバスで視察にこられたり、朝見地区協議会の事務局長さんは、県内で何度も講演会にいかれています。
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