2009年02月06日 「まごの店」「先輩の店」 

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 今回の三重県視察の目的は、私の出身高校である、三重県多気町の相可高校生による「まごの店」=部活動でレストラン経営、食の安全と地域興し。?松阪市地域マネジメント朝見地区の事例です。 
 
 平成17年、三重県多気町の自然休養村内に総工費約9千万円の「まごの店」を開設。授業がない、土・日を中心に同校生徒が飼育した牛や豚、野菜を食材に高校生が調理し、フロア―で注文をとり、会計をします。レストラン以外にもテレビ局とタイアップし弁当を作り、野球場で販売。地域の高齢者給食サービス。町の小学校6年生全員にテーブルマナ―を教えるなど世代間交流事業もやっています。食物のスペシャリスト作りを地域の特色を生かして町興しを行っています。 
 予定とおり、9:58分松阪駅に到着し、松阪市まちづくり推進課長の大山さん、市議会事務局の中西さんの案内で、多気町役場につきました。町長さんが不在ということで、森田議長さんから歓迎のご挨拶をいただきました。その後、岸川さんに相可高校の食をテーマにした、町興し事業を説明をしていただきました。マスコミ有名な「まごの店」が更に発展して、同校食物クラブの卒業生が経営することとなった「先輩の店」でお弁当を買い、「まごの店」で説明をうけながら昼食をとりました。 
 相可高校は普通科、食物科(私が在学していた時代は家政科)、の他、農業科、土木科、があります。大阪で超有名な調理師学校を首席で卒業され、卒業後も同調理師学校で生徒に教えてきた村林先生が、育った故郷に貢献したい「一流の職人を育てたい」と、心機一転して三重県の相可高校にこられました。村林先生は、技術は教えることができるが、学校の授業でできないものに?お客様との接遇。?コスト管理ができない。の2点で悩んでおられたそうです。 
 かたや、岸川さんは、多気町職員として、なんと“134時間町民ソフトボール大会”を企画し、「選手は1度出場し、交替したら2度と出場できない、」独自のルールで、台風が接近している暴風の中、町民総出で、見事134時間ソフトボールを達成しギネスブックに正式に登録されたりするなど、奇抜なアイデアで地域おこしを考える風変わりな、“仕掛け公務員”です。(ビートルズのジョンレノンと京大出身歌手上田正樹を足して2で割ったような風貌です) 
 
 「まごの店」事業についても、県立高校生徒がレストランを経営することになれば、「食中毒が起きたときの責任」・「生徒に労働させることを学校がしていいのか?」・「生徒の賃金はどう考えるか?」などなど、いわゆる「文部科学省-三重県教育委員会」の判断、出方を考えるところを、岸川さんと多気町上司の判断で、お伺いをたてる前に、“やってしまう!”方式で、ふるさと村と多気町、相可高校の“3者の覚書立ち”というウルトラCで立ち上げてしまいました。 
 心配とは裏腹に、丁度、世の中が「××偽造」で連日マスコミを騒がせており、「食の安全」が見直されてきた時代とジャストフィット!!。地場産業の食材で、地域の高齢者に安心な料理を食べさせる高校生の部活動という触れ込みに日本中からマスコミが殺到しました。「まごの店」の設計を県内の工業高校に呼びかけ、プロポーズ、お客様の食べるスペースより、生徒が調理する調理場の方が面積が広く、太陽の光がよく入るという、正に、高校生中心の設計になっています。 
 
 ある試算によると、この数年の「まごの店」の宣伝費用は10億円をはるかに上回る宣伝効果があると、識者の声だそうです。 
 実際に「先輩の店」の500円のお弁当と鳥のから揚げ、さんまの煮付け、おから、ポテトを食べてみると、正に絶品でした。関係者によると、鳥は地元多気町の農家で飼育されているもの、魚は一流店に卸している卸商がわざわざいいものだけを納品してくださる、とのことでした。それを、料理の達人村林先生の厳しい指導で教えられた「先輩」の皆さんが料理をするので、味付けも当然!絶品!! 
 
 村林先生の指導のもと、1日250食と限られた数に、朝、8時過ぎから並ぶお客様もおられ、すぐ予約がいっぱいにになる盛況ぶりです。250から数を増やせばいいと思いますが、「生徒の研修のため、お金儲けではない!絶対250食を守る!」という徹底ぶりです。生徒が授業の休みの土日しか営業しなにので、ウイークデーは全く空いていて、全国各地からの視察を受け入れるだけです。 

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