shiinamachikitaguchi s-00367

平成20年 決算特別委員会・総括質疑

2008年10月 3日

職員のスキルアップと行財政改革

木下広委員
それでは、質問をさせていただきます。
委員長、副委員長、お疲れさまでございます。仲良く最後までよろしくお願いしたいと思います。また、理事者の皆様におかれましても、私ども公明党は、昨年の選挙で3人の新人ができまして、奇数の年度で2人がデビューしましたけれども、今回、偶数年度では根岸議員がデビューしますので、いろいろ資料の件だとか、ご相談いくかと思いますけれども、優しく、時には厳しくご指導いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
決算の概要だとか、財政の様々なことについては本橋委員だとか、藤本委員の方からお話がありまして、私はもう余り数字のことは言わずに、今まで取り組んでこられて、やっと健全化に持ってくることができた、いわゆる行政改革の成果でありますとか、また、今後の、豊島区として区民へのサービス等についての課題といいますか、その辺を確認させていただくということで進めさせていただきたいと思います。
私は、平成7年当選でございますので、そういう意味では、当時は区長が加藤区長で、私がデビューしたときは、パソコンだとか、情報化だとか、メールだとか、そういうのを決算とか予算で言ったら、近藤助役なんかは、「全く俺はわからないから、俺はこれで今まで来たから」とかって言われたり、加藤区長なんかは、「あなたが好きならそれで頑張りな」って、「俺は知らないから」とかって言われたりして、そういう意味では、何か隔世の感があるところなのですけれども。
やはり、その年々の環境といいますか、時代の流れもありますけれども、その時々に合った区の体制というのを、毎回、毎回の予算の編成のときに、様々、考えられてここまで来られたというところがあります。その中で行政改革をやっていく、いわゆる義務的経費の中の人件費がやはり大きいという区民の目から、また、社会的なそういった流れの中から、正規の職員をできるだけ減らして、今まで正規職員がやっていた仕事を民間に、また、NPOだとか、様々なそういった団体と協働してと、そういった流れがこの10年間ずっと続いてこられましたけれども。本区において、特に職員の数、僕が当選したときは、平成7年ですから、確か3,000人近くいたと思うのですけれども。それをずっと正規の職員を削減をしてこられまして、大きな財源、財政効果を得られたと思うのですけれども。特に、15、16、17、18年度というのは、本当にそういう意味では人件費の削減に取り組まれたと思うのですけれども、その辺の数字的なものと、取組みについてお聞かせいただければと思います。

石橋行政経営課長
現在の定員管理計画が17年度からの計画でございますので、その前の年、16年度との比較でお答えさせていただきます。平成16年度と、あと平成20年度の職員数を比較いたしまして、正規職員が383名の減となってございます。削減率で申し上げますと14.7%ということで、23区の同じ時期の削減率の中では一番大きな数字となってございます。

木下広委員
そういう意味では、いろいろな方が努力をされて、こういう削減をされたということでの財政的な効果の額としては、大体おおよそ17、18、19年度でどれぐらいになるのか、もしおわかりになったら、教えていただければと思います。

吉末財政課長
例えば、16年度と比較いたしますと、17年度が約17億円、18年度が約7億円、19年度は先程もご説明いたしましたように退職手当と、それから職員給料の減のツーペイがございまして1,100万円の増、そういった状況になってございます。

木下広委員
その反面、今まで正規の職員がやってきた仕事を、1つは民間委託という話がありましたけれども、行政経営白書の中にも書かれておりますけれども、16、17、18年度、2、3年間でも結構なのですが、民間委託で財政効果がどれぐらいあったかというのは、その3年間ぐらいでおわかりになりますでしょうか。民間委託という意味での財政効果ですね。

石橋行政経営課長
民間委託、トータルの数字ということはこちらの方で押さえてないのですが、今現在、公の施設は指定管理者を導入しております。指定管理者につきましては、事業費ベースで申し上げまして、17、18年度で約4億円の効果ということでございます。民間委託につきましては、平成6年度から始めておりまして、累積効果としては約140億円と計算してございます。

木下広委員
そういう民間委託での財政効果があって今日があるということなのですが、反面、今まで区の正規職員が区民に対して、いろいろサービスをやってきたところを民間の方にお願いをする。それはそれなりにいろいろ契約書だとかやりながら、間違いなく進めていくということもあると思うのですけれども。それ以外で非常勤の職員の方とか、あと再任用の方だとかを今までやっていた、物理的に正規の職員がどんどん数が減っていくわけですので、その穴埋めという意味では、そういう方々が採用になって現場に就かれていると思うのですけれども。非常勤の方の割合といいますか、その辺の今までの経過というものはどういうものがあったのかというのが数字的にわかったら、お教えいただければと思います。

石橋行政経営課長
経年変化ですけれども、先程、16年度との対比で申し上げましたので、今回も16年度と対比して申し上げさせていただきますと、非常勤職員の数は16年度、20年度全く同じ数でございます。再任用・再雇用職員につきましては、逆に約30人ぐらいの減となってございますので、正規職員と合わせましても職員トータルの数も減っているという状況でございます。

木下広委員
なぜこういうことを言うかといいますと、私どもも行政改革をしっかりやって経費の無駄を省いた中で、できるだけ効率的な行政の運営をということで今まで主張してまいりまして、また、区民の皆さんへのそういう周知といいますか、お願いとか、ご協力もいただきながら、やっとここまで来られたという感があります。しかしながら、やはり現場の中では、区の職員がやっていて、それで、なかなか部署が変わったりしてわからないだとか、窓口で区民に対する説明が不足していたりという現場が2、3あったものですから、ちょっと指摘をさせていただきたいと思うのです。
1つは、長崎二丁目の高齢者の方が、今までは介護保険を使っていなかったのですけれども、急遽、お体が悪くなって介護保険を使われるという、そういった電話を介護保険課の方にしたそうなのですけれども、そこで紹介されたところが、どういうやりとりがあったかはわからないのですけれども、長崎二丁目にその方は住んでいらっしゃるのですけれども、東部保健福祉センターの、そういうご案内があったということで、東部保健福祉センターの方に何かの書類を取りに行ったという、そういった現場が1つあったのです。これは小さいことだとは思うのですが。
また、私がつい最近、高齢者の方で、今まで元気だった方が急遽、透析をされるということで、75歳以上の方だったのですけれども、その医療費の補助の申請だとか、そういったところにご一緒させていただいたのです。まず、後期高齢者のところへ行って、ちょうどたまたま課長もいらっしゃったので、いろいろ対応させていただいたのですけれども。医師に意見書を書いていただく用紙の件で、最初はその意見書はどんな様式でも結構ですなんていうお話をしていたのですけれども、もうちょっと調べれば、実際はそういう様式があったということでその場ではもらったのですけれども、それをもらうまでにちょっと時間がかかってしまったと。東京都の補助をもらうということで、今度は池袋保健所へ行きましたら、窓口の方がいらっしゃってご相談をしたのですが、最初はいろんな書類が必要ですよということで、ばっと書類を、この書類は必要ですといったところが、実は高齢者の方については、もう後期高齢者の証明書のコピーがあれば、もう細かい書類は要りませんというのが説明している途中でわかって、この申請書だけで結構ですよということになって。それで今度は、中央保健福祉センターの方へ行って、障害の認定のお願い、認定の申請書をお持ちになったのですけれども、中央保健福祉センターの方ではそういうことですかということで、もう本当に2、3分で仕事が済んでやったということがございました。
だから、要するに、正規職員の数が減っているということは、やはり逆に一人一人の職員の皆さんの能力というか、スキルアップというか、それにしっかり取り組んでいただきたいという思いが非常にしたものですから、こういう話をさせていただいております。
計画的に人材育成プランだとか、そういうのを立てられて、正規の職員の皆さん方のスキルアップ、研修だとかを含めながらやられているということも、もちろん、十分に承知をしているのですけれども、やはり、そういう意味では小さい政府にしていくというか、効率的な組織をつくっていくという意味においては、現場の職員だけではなく、幹部職員の方、また、トップの皆さん方がやはり細かいところまで気を配っていただいて、区民サービスについてのそういう対応を常日頃から考えていただきたいという思いを強くしております。
そういうことで、ちょうど財政的にも一段落をして、これから先、不透明なところはあるのですけれども、やはり、まだまだ正規職員の数を2,000名体制までどんどん削減をしていくという流れのもとで、豊島区の運営をしていくわけですので、職員の皆さん方の一人一人の、それはもう現場の職員だけではなくて、係長も課長も部長も、やはり本当に少ない人数の中で、今まで以上の区民サービスをやっていくという流れが必要であると思いますので、その辺のところをしっかりとやっていただきたいという思いがございます。そういう意味では、その辺の体制づくり、組織の管理の考え方と、今後の職員のスキルアップの研修だとか、そういった方向性について一言お話をいただければと思います。

野総務部長
大変、ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ないと思っております。ご指摘のとおり、現在、職員体制につきましては2,000名ということで削減に取り組んでいるところでございますけれども、現場の中で、実際、職員一人一人にかかる負担が増大しているのは、これは事実であろうと思っております。これまでの無駄やむら、そういったことを省き、効率的な組織運営をしていくためには、これまでの取り組み、それから2,000名体制に向かっていく取り組みというのは、これはこれからもやっていかなければならないわけでございますが、その一方で、ご指摘のとおり、能力開発というものも、より一層、力を入れていかなければならないということは私どもも認識をしております。
ただ、職員の中といいますか、現場の中では負担感が強くなっているということが、平たい言葉でいえば、いっぱいいっぱいというところが、恐らく、そういった結果につながっているのではないかなと思います。やはり、職員も納得性を持って、それで満足感を持ちながらそれぞれの仕事に取り組むということが、やはり区民へのサービスの提供もより質の高いものが提供できると思いますので、そういう意味での、これは人材育成プラン、委員ご承知のとおりでございますけれども、その人材育成プランに則って人事制度と連携した形での職員研修、能力開発、それから目標を設定した上でのいろいろな指導というものを徹底していきたいと思っております。
ただ、問題といたしまして、ご指摘のとおり、私ども部課長も含めてですけれども、職員に対して、ヒアリングの数を増やすようにしておりますけれども、管理監督者のコーチング力といいますか、そういったものも、やはりもう一度改めて考えてみるべきかなと思っております。管理監督者、課長以下、私たちもそうですけれども、単なるマネジャーではなく、プレイングマネジャーという立場が今、求められておりまして、職員に対してのコーチ、指導をしていくという点が、ともすれば、おろそかになりがちな面もありますので、そういった面も含めまして、これから取り組んでまいりたいと思っております。
それともう1点、今、非常にいろいろな複雑な形での組織になってきておりまして、正規職員だけではなく非常勤職員、それから委託ですとか、様々な形での方が、区政を推進してくださっているわけでございます。そういった人たちが、それぞれの組織は別にしても、その背景は別にしても、やはり豊島区において働いている、豊島区政を支えているのだという気持ちを持っていただく。そういった文化をつくっていく必要もあると思います。それぞれの委託会社ですとか派遣会社、そういったところでの取り組みも去ることながら、豊島区として、この職場、ここで働くことの意味が伝わる、何か方策も考えていく必要があると認識しております。

水島副区長
少し補足をさせていただきたいと思います。時間が長くなって恐縮でございます。総括でございますから、お許しいただきたいと思います。
確かに、昔と職員の正規ばかりでなくて、委託が非常に進行いたしまして、非正規の方が非常に多くなっています。ご参考までに数字を申し上げますと、今、正規が2,200名です。2年後には2,000名にしようとしているのですが、正規は2,200名。それ以外に再雇用・再任用、それから図書館で働いていらっしゃるような典型的ケースですけれども、ああした方、ほとんど職員と同じようにやっていらっしゃる、私ども非常勤と言っているのですが。広い意味で、再雇用も再任用も非常勤であるのですが、それとは別に非常勤の方がいらっしゃる。それから派遣がいらっしゃる。請負がいらっしゃる。非常に多様な民間の方々のお力をお借りして、そうした方々が約600名いらっしゃるのです。2,800名で仕事をやっているのですね。それで、ピーク時だったのは平成5年、約15年前が3,100余名だったのです、正規が。その頃は、まだいわゆるOBの再就職が出ました、いわゆる嘱託制度も、今とまた違いまして非常に限定的でございましたが、再雇用がスタートした、ちょうどそのころでございまして、非常勤と言われる方々も、まず、図書館ではそんなに採用もなかったですし、非常に限定的で、ゼロではなかったですけれども。およそ150から200名ぐらいだったのではないかなと、資料を調べてみますと、15年前の。そうしますと、今2,800名でやっているのが、15年前は3千2、300名でやっていたと。ですから、トータルで差し引きしますと4、500名は減っているわけですね、民間委託、いわゆる指定管理者制度なんかで、もう全然、民間の施設として運営したり、特養なんかだとして、あらゆるものがありまして、そんなことで来ております。
それで、多様な方々が働いていらして、今、総務部長が申しましたように、いろいろな問題がございますが、幾つかの中でも、とりわけ重要なのはプライバシーの保護なのです。区民の方々のプライバシーの項目数が約5,000件あるのです、5,100数十あるのです。それで、限定的にしか見れない、税務の職員は税務しか見れませんし、福祉の方は福祉しか見れないし。いろんな業務がありまして、住所、氏名、生年月日とか、三大個人情報は全部持っていますから、それらを、10の業務があれば三大個人情報は30としてカウントしているのかと思われた結果が5,000件ではないのですよ。住所、氏名、年齢で3と数えましても、5,100件の個人情報を扱っているといいますか、抱えているのですよ。これをやはり、いろんなところで使っているわけですね。そうしたプライバシーの、それが表に出ない、これがいろいろある中でも私は最大のものではないかなと。そうしたことを、やはり非常勤の方々にも、きちんとわきまえていただくという必要性が、とりわけ私は高いのかなと。
処遇の問題とか、いろいろありますけれども、処遇もできるだけのことはやっております。様々ある中でもプライバシーの問題、これをきちんとやっていくということは、正規職員だけの問題ではなくて、非常に大きな、人を減らせばいいというものでもない、そういうところを全てきちんとカバーしながらやる必要性があるのかなと思います。そのための職員研修も、すぐにでもスキルとして身につけなければいけない、そういう研修もありますし、10年後に効果が出てくるような長期で見ていく人材育成もあるでしょうし、様々なやり方がございますが、努力していきたいと思います。

木下広委員
そういう意味でも、情報化といいますか、システム化というか、お金はもちろんかかるのですが、やはりそういう情報化の取り組みについても、しっかりとやっていく必要があるというのが1つ。
もう1つは、やはり組織といっても、最終的にはまず長がというか、中心者がどう決意をしてどう動く、行動するかということ。中心者の次に、まず、核になる人たちが本当に中心者と同じ気持ちになれるかどうか。そこから組織というのは発展もし、埋没もしていくということだと思います。区長を中心に、しっかりとその辺の今後の区政運営をよろしくお願いしたいということで、私の質問を終わらせていただきます。