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平成24年予算委員会 3月9日 第一款~九款補足質疑

教員のメンタルヘルスと教師力充実!

○木下広委員  区長が答弁されるといいですよね。お疲れさまでございます。

私からは、こういう仕事をやっていますと、区立市小・中学校に通わせている保護者の方から、教員の資質だとか、校長先生とか副校長に対する不満だとか、いろいろ相談を受けたりするわけです。いや、それで、一人だけの意見をそのままうのみにすることもこちらもできませんので、ほかの同学年の保護者の人だとか、そういった方々と情報、状況を収集しながらいろいろ対応するのですけれども、もちろんケース・バイ・ケースだと思うのですが、例えば教員の資質について僕たちのところに相談に来た場合は、直接校長先生にそれを言うのがいいのか、それとも山本課長に言うのがいいのか、その辺は教育委員会としてはどう考えていますか、教えてください。済みません。

○山本教育指導課長  日ごろから御協力いただきましてまことにありがとうございます。

各学校において子どもたちに、あるいは保護者に満足のいくような教育というのを私どもは目指しているつもりなのですけれども、やはり年間を通しますと何件だけではないですね、何十件ぐらいかはそうした教員の例えば指導力の問題であるとか、あるいは言動の問題であるとか、時には部活動の指導についてといった相談が寄せられることがございます。そのときには、できれば相談者の方々にも学校に言いましたかという問いかけを逆にすることにしています。そうすると、最近の方々は、いや、していませんと、直接こちらに連絡をいたしましたというケースが大変多うございます。最終的には学校に返さないと、学校で親身になって対応していかないと解決しないということで、そのような御案内をするのですけれども、もし委員の先生方にそうした訴えがあったときには、言うにやまれぬということで相談が持ち込まれたと考えます。できましたら、私どものところに御一報をいただいて、学校に必要に応じて指導をいたしますし、また保護者の方々にもこのような進捗ですということをお話し申し上げますので、何か気になることがございましたら御遠慮なく教育指導課まで御一報をいただければと思います。

○木下広委員  そうですよね。だからケース・バイ・ケースで、それで、言っている保護者にある程度考え方が違いますよという保護者がやはりふえてきているような感じはするのです。親がなかなかそういう意味では大人になり切れていないというか、本当に我が子だけしか見ていないという話もあるのですが、一方では、これは明らかに教員の資質の問題だとかそういったところがあって、ケースによっては教員のメンタルな部分がかかわっているのではないかというケースもやはり散見される場合がありまして。教員の先生方で心の病で休職をされるだとかそういった方々も、これは物理的にいてもしようがないと思うし、特に今の世の中はそういうわがままな保護者の数がやはり多くなっているというところもあるので、その辺の教員の心の病で休職されていたり、そういう先生方は今大体どれぐらいいらっしゃるのか、東京都の資料は大体いただいているのですけれども、本区では現状は大体どういうものなのか、教えていただけますか。

○山本教育指導課長  御質問のメンタルな部分を理由に休職をされている先生方というのは、年度によって多少の違いはあるのですけれども、大体10名前後でございます。直近の平成23年度ということで申し上げますと、年間を通して、始まる時期は若干違いがありましたけれども、今年度については13名ということで数としては積算をしているところでございます。

○木下広委員  それはどうなのでしょう、例えば僕の長男の長小の先生で3年ぐらいか、学校に籍があって出てこられなかったような先生がいらっしゃいますけれども、そういう長期的だとか、短期的だとか、その辺はどういう数字なのですか、13人というのは。

○山本教育指導課長  それこそこの場合にはお一人お一人のケース・バイ・ケースという部分がございますけれども、一例ということで申し上げますれば、復職を果たすことができる、いわゆる今年度既に果たしている方と、この3月末日までお休みをとって4月から復帰をしますという方が13名のうちの5名、それから、もう少し休職が必要ですという方がさらに5名、残りの3名につきましては残念ながら退職ということで、そのような数字になっています。

○木下広委員  なるほど。全国的な先生方のメンタルヘルスについては、都道府県でいろいろな角度でやっているということで、特に東京の場合はその辺の対策が進んでいるということで、資料も拝見させていただいていますけれども、簡単に言うと、そういう教員のメンタルヘルスに対する東京都の仕組みとか、その辺はどういう形になるのか、お教えいただけますか。

○山本教育指導課長  御質問のメンタルヘルスにかかわる部分につきましては、第一に、前提として管理職の理解というのが非常に重要になってまいります。例えば無理に指導をするとか、あるいはうつに気づかずに強圧的な指示を出してしまうといったことが悪化させてしまうことの原因になってしまいます。そのことをまず理解させることと同時に、東京都におきましてはメンタルヘルスの相談窓口というのをかなり手厚く設けております。一例だけ申し上げますと、例えば土日の相談であるとか、臨床心理士の派遣の事業とか、あるいは心と体の相談室ということで、これもいろいろな機会に教職員自身にも周知をするようにして、自分自身で悩みを決して一人では抱えないということで徹底を図っているところでございます。

○木下広委員  時代が変わっても子どもたちにとっては、まず先生がどういう言動をされるかとか、ちょっとしたところの先生のアドバイスが一生残っているというのを僕などもやはり小学校、中学校のときにいい先生からいろいろ激励していただいたことが本当に残っているところもありまして、そういう意味では、団塊の世代の先生方が定年を迎えられて、今、教員になる教員採用試験の窓口も昔のような狭き門ではなく、若干広き門になったと思いますけれども、同時に、やはり社会経験のない方が教員として現場に行くわけですので、研修体制というか、社会の常識といいますか、その辺の体制というのは再度確認させていただけますか、若い方の。

○山本教育指導課長  本区の例えば新規採用者の状況で申し上げますと、10年前、私が指導主事として担当していた折には10人前後の新規採用者でございました。それが現在40名でございますので、単純に4倍ほどに人数がふえているということになります。多様な経験を持っていて、必ずしも新卒というばかりではなくて、社会人枠ということで社会人を経験して、その経験を生かしていただきたいといった採用も今日多様化しているところでございますけれども、いずれにいたしましても、新しい先生方が自信と、それから、誇りを持って子どもたちに接することができるように、現在、1年目の教員に対して重点的に行っていた研修を東京都も組みがえをいたしまして、1年目から3年目までの教員、若手育成研修と名称を変えまして少し長期化を図って研修を行っているところでございます。本区で教員育成の指針ということでミニマムというのを作成しているのですが、その中で、教育というのは、教えて、それで、感化することだけではなくて、教育は教化にあらず、感化なりということで、先生方のまさに全人的な影響力が子どもたちの後々の多分一生のレベルで心に灯をともす部分になればいいなと考えていますので、そうしたすぐれた志を持つ教員を育ててまいりたいなと考えております。

○木下広委員  本当に教育といっても、一番大事なのは先生の姿がまず第一、家庭の教育ももちろん大事なのですけれども、やはり公教育の中では先生が本当に信頼できる教員としてというのが一番大事なことだと思いますので、その辺のところをよく認識をしていただいて対応をしていただくということと、あとはこういう社会ですので、精神的にやはりしんどい方が出てくるのも当たり前の話なので、とにかく一人で悩まないと先ほどおっしゃっていましたけれども、本当にそのとおりで、そういうメンタルな部分のケアもいろいろな形でできるというところを先生方にも御理解いただいて、いい環境をつくっていただくように希望いたします、私から。

○三田教育長  最も根本的な問いといいますか、教育に対する御要望を伺ったわけでございますけれども、私どもは2つ、今、指導課長から申し上げたように、今年度は特に豊島教員ミニマム、最低どこの学校でも、どの先生でもこれだけはやろうという9つの基準をつくりました。これは徹底的に浸透させていきたいという、その一つが先ほど申し上げた教育は教化にあらず、感化なりという言葉なのですが、人間的な影響力をしっかり強めていこうということなのです。

もう一つは、私どもも初任者研に2年間毎回参加して直接ワークショップや話をしています。その中で強調していることは、若手の教員は指導してもらうだけではだめだと、ラインアンドスタッフだと、つまり縦横の軸を持って、こういうときにはだれに相談してOJTで自分に身につけていくか、こういうときはどこのラインの部分で調整すればいいのかということをいつも持っていなさいと。それで、チャンネルをいっぱい持って、自分は今何をしなければいけないかと自分で考えるという教育技術も含めて、子どもとの対応の仕方、接し方もそういう力をつけていこうということで、今後ともしっかりと力を入れてやってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

○木下広委員  ありがとうございました。