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平成23年予算特別委員会 都市整備・土木費( 3月 1日)

 

高齢者ケア付き住宅・リフォーム等住宅施策の充実

木下広委員  おはようございます。お疲れさまでございます。
そろそろ連日の会議であきたとは言いませんけれども、ずっと座っているのがなかなか苦痛の時間がこれから続くようになると思いますけれども、よろしくお願いいたします。

私からは住宅施策全般につきまして、確認を含めまして本区の今後の方向性等についてご確認をさせていただきたいと思います。再三、区議団で一般質問等で住宅関係をやらせていただいたのですけれども、国でも高齢者の住居の確保に関する法律等の一部を改正する法律案が審議されておりまして、今まで高齢者に対する住宅施策を一元化するという方向で、サービス付きの高齢者向け住宅の登録を創設するなど、いろいろな議論、また動きがあるように伺っております。また、既に閣議決定されております住生活基本計画も様々な議論が行われて見直し案が提示をされているという時期だと聞いておりまして、本当に、私どもも議員生活をやっておりまして、住宅に関するご相談とかが多いわけでございます。特に高齢化の中で高齢者からの住宅の相談も多くありますので、なかなか池袋周辺としての家賃の高さの中で生活をされている、賃貸でお暮らしの皆さん方のそういう声というのは本当に多いものが寄せられておりますので、その辺のところから少しお願いをしたいと思います。

まず、現在、現行の高齢者住宅の種別と区内の住戸戸数について確認のためにお願いできればと思います。

○活田住宅課長  区内の高齢者住宅でございます。まず、国の制度なのですが、高齢者住宅に国の制度に3つございます。1つ目が、高円賃と言われる高齢者円滑入居賃貸住宅、これらにつきまして区内では215戸の登録がございます。2番目ですが、高専賃と呼ばれる高齢者専用賃貸住宅、こちらにつきましては64戸、区内の登録がございます。3つ目でございます。高優賃と言われる高齢者優良賃貸住宅、こちらは大きくは高専賃の中に入りまして、豊島区内に高専賃と同じ64戸の登録がございます。それから、東京都が独自に行っている制度でございますが、東京都シニア円滑入居賃貸住宅、こちらは豊島区の登録では213戸ございます。それと、豊島区で行っております高齢者等入居支援事業、これは常時30戸ほどあっせんをしているところです。区内の高齢者住宅としては以上でございます。

木下広委員  それで、サービス付きの高齢者向けの住宅の登録制度というのがありますけれども、今までの高齢者住宅の種別はどう変わっていくのかというのを教えていただきたいと思います。

○活田住宅課長  今、国で審議されているものなのですが、サービス付き高齢者向け賃貸住宅なのですが、先程の高齢者円滑入居賃貸住宅、高円賃、それから高齢者専用賃貸住宅、高専賃、3つ目、高齢者優良賃貸住宅、高優賃、この3つが廃止され、統合される予定でございます。なお、区で行っている高優賃についての制度スキームについては当面継続をするという話で伺っております。

木下広委員  そのサービス付きの高齢者向けの住宅と統合される3つの種別の住宅の違いがいろいろあると思うのですけれども、区別といいますか、その辺をちょっと教えていただければと思います。

○活田住宅課長  居室の面積とか設備につきましては変更はございません。サービスが変わるということでございます。食事の提供あるいは清掃など、家事の援助サービスを提供することが異なってございます。このサービスの内容については選択できると伺っておりまして、少なくとも安否確認、それから生活相談サービスの提供は義務づけられるようなサービスということになるかと考えてございます。

木下広委員  安否確認とか生活の相談の提供は義務づけられているということで、本当にそういう意味では安心の高齢者向けの住宅制度として期待をされるところなのですけれども、一方、東京都では、一般質問でもやりましたけれども、高齢者の居住安定化確保プランを策定して、住宅施策と福祉が連携して総合的に高齢者の居住を推進していくという流れがある中で、この高齢者向けのケア付きの賃貸住宅の供給促進については本区、豊島区としての今後の施策の展開というのはどういうものがあるのかお聞かせいただければと思います。

○活田住宅課長  高齢者向けケア付き賃貸住宅なのですが、高優賃も中に含まれております。来年度、3つの新規あるいは拡充を予定してございます。1つ目ですが、高優賃の家賃助成の拡大ということで、従前、1カ月2万5,600円が家賃助成の最高限度額だったのですが、それを4万円に引き上げる予定でございます。2つ目ですが、これも高優賃でございます。建設費の助成、千早二丁目に供給計画が今年度提出されまして、来年度高優賃21戸を建設する予定です。こちらについての助成を行います。3点目でございますが、これも高優賃でございます。新規供給計画の募集をいたします。こちらも20戸程度、来年度募集をしてまいりたいと考えてございます。それから、予算はまだついてはいないのですが、都市整備部と保健福祉部で情報共有を今、高齢者の住まいの施策に関する連絡会ということで行っておりますが、来年度、何らかの施策につなげる動きをしたいと考えてございます。

木下広委員  そういう意味では、一歩一歩といいますか、たくさん困っていらっしゃる方はいるのですけれども、その中で行政、豊島区としてのそういう対応について少しずつ取り組んでいただけるということについては感謝を申し上げるところでございます。また、福祉部とよく連携をとりながらの高齢者の住宅施策の推進というのはさらに一層大事になってくると思いますので、その辺の観点についてもしっかりと今後の議論、生活実態に即したより多くの高齢者の皆さん方の住環境の整備について推進をしていただきたいと思います。

そして、今回の予算書の中の住宅費関連の総額について伺いたいと思います。いろいろなところで22年度と比べまして23年度の予算額が減額をされている記載が多く見受けられるのですけれども、その辺についてのご説明をいただければと思います。

○活田住宅課長  23年度ですが、22年度と比較して減額されているもの、100万円以上というところですと、5事業ございます。1点目が区営住宅管理経費、こちらにつきましては約1,000万円の減額になってございます。2点目です。区立の福祉住宅、つつじ苑の管理経費につきましては1,900万円の減額となってございます。3つ目ですが、安心住まい提供事業経費につきましては1,300万円の減額でございます。4点目です。安心住まい建築利子助成事業経費につきましては170万円の減額。それから最後、5点目ですが、区営・区民住宅の大規模改修経費につきましては22年度と比較して約8,000万円の減額になっているところでございます。

木下広委員  ということで、何か住宅施策が大事だということで僕たちは主張してきたのですけれども、このような減額の数字を見ると本当に一生懸命住宅施策を考えていらっしゃるのかと不安になるのですが、減額されている各事業の主な要因について、もう少し細かくご説明いただければと思います。

○活田住宅課長  細かく申し上げます。まず、1点目です。区営住宅の管理経費ですが、これは通常の改修経費の見積もりが安かったというか、通常改修の経費が安くなっているということでございます。2点目の区立福祉住宅の管理経費でございますが、同様に給湯器の取り換え工事等の通常の改修経費、22年は千川つつじ苑をやりましたが、今年度は予定しておりませんので、その分が減額されているということでございます。3点目の安心住まい提供事業経費でございますが、こちらにつきましては居室確保数191件を22年は予定しておりましたが、23年度は180件に減少しております。こちらが減額の主な理由でございます。4点目です。安心住まい建築利子助成事業経費でございます。こちらにつきましては、助成期間が満了しまして対象事業が減りましたので、その分の減額となってございます。5点目です。一番大きい区営・区立住宅大規模改修経費でございますが、これは大規模改修の工事が減ったということでございます。

木下広委員  そのような改修経費が減ったということなのですけれども、その中で、区営住宅と福祉住宅の管理委託を今までのとしま未来財団から民間企業に切り換えるということでご報告もありましたけれども、この辺については、未来財団というのはやはり外郭として区のいろいろな施策に深くかかわっているということもあり、その辺の情報も確かなものがあるということは私どもは安心して見ていたところなのですけれども、今回そういう制度の改正ということで、未来財団ができないということで民間を選定するということだと思うのですけれども、その辺の選考のスケジュール、段取りについてはもうほとんど終わっているのか、その辺のところを聞かせていただきたいと思います。

○活田住宅課長  区営住宅と福祉住宅の民間委託でございますが、既に2月15日に公表しております。こちらにつきましては、希望型の指名競争入札ということで進んでおります。おおむね3月の中旬までには事業者が決まる予定でございます。

木下広委員  民間にかわるということで、私どもの期待としては、やはり今までと違った新しい観点でコストも下がるのではないかと期待するのですけれども、その辺についての方向性はどうなのでしょうか。

○活田住宅課長  現在、入札の手続きの最中ですので現時点で上がるとか下がるとかというのは申し上げられませんが、私どもとしては、コスト的には下がると考えてございます。

木下広委員  ぜひそういう方向で、せっかく体制が変わるわけですので、よろしくお願いしたいと思います。

あとは、一般質問でもありました区営住宅と福祉住宅の民間事業者への維持管理に際して区内業者の活用について工夫する、いわゆる区内の業者をしっかりと視野に入れてやっていただくという答弁をいただきましたけれども、この辺についてはどうなのか伺いたいと思います。

○活田住宅課長  入札につきまして、まず区内事業者に経験があるかどうかというところから見ますと、住宅の規模が、団地が大きいものですから、なかなか区内事業者に限って指名競争入札をするのは難しいと考えております。したがいまして、入札業者を区内に絞ることはしてございません。ただ、仕様書で、落札した場合、下請に出す場合はシルバー人材センターや区内事業者を活用するようにということで、これは努力義務になりますが、こういう規定を設けてございます。

木下広委員  せっかくの仕事があるので区内の人をしっかりとやっていただくということでよろしくお願いしたいと思います。

あと、先程の説明で、安心住まいの提供事業について、確保する部屋が減ったということで心配なところがあるのですけれども、住宅マスタープランの目標は平成25年度までに200戸と明文化をされているところで、今回、部屋を減らしてしまって大丈夫なのかという心配のところもあるのですけれども、その辺についてはどういうご見解を持っていらっしゃるのか。

○活田住宅課長  まず、191戸から180戸に減らしたのですが、こちらについては、従前契約していたところが20年の満期でオーナーから返してくださいというお願いがされておりまして、3戸を返しております。8戸については、現在のところ、20年、21年、22年もそうですが、20戸ずつあきがあるのです。現在でもまだ25戸程度のあきがありまして、このあきを抱えたまま、さらに住宅マスタープランに規定されているからということでしゃくし定規に増やすということではなくて、現状を踏まえながら25年度までに目標の200戸ということを勘案していけばいいかと考えております。したがいまして、現行で今のあきがある状態でこれ以上増やすということは適切ではないと考えております。

木下広委員  しかしながら、状況が大きく変わったりしてまた需要が増えたときの対応についてはしっかりと考えていただきたいということと、もう一つは、よく相談があるのが、入ったときは元気で自分の生活ができていたのだけれども、買い物も行けたのだけれども、長く暮らしていてひざや足が悪くなって2階への階段を上るのが大変だという高齢者の声が最近多くなってきていまして、1階の安心した部屋に住みたいという声も聞かれると思うのですけれども、その辺の声についてはどのようにお考えになっているのか見解を伺いたいと思います。

○活田住宅課長  既に安心住まいに入っている方で体の調子が悪くなったり足腰が悪くなって2階から1階にということでのご要望はかなりあります。現行は、安心住まいがあいておりますので、可能な限り対応しておるところです。ただ、同じような事情の方がたくさんいらっしゃいまして、あきも、今、安心住まいも20戸あいているのですけれども、1階があまり多くはないのです。ですから、その辺をご本人との調整、要は敷金とか保証金がまたかかったり改修経費がかかったりしますので、その辺を相談者ご本人と調整しながら決めてまいりたいと考えてございます。

木下広委員  実情に合わせてできる限りのところは丁寧にやっていただくということでよろしくお願いしたいと思います。

あと、23年度の新規事業の中で、住宅マスタープランの重点プロジェクトの推進事業というものが取り組まれると記載をされておりまして、一般質問でも言ったのですけれども、空き家とか空き室が区内で大変に増えているというところが昨今も大きな話題になっております。そのような空き家とか空き室を活用して少しでも区民の皆さん方の住環境の整備ということを考えていただきたいと思うのですけれども、民間と豊島区と共同したこの辺の具体的なイメージというのはどういうものがあるのかというのを伺いたいと思います。19年度成立した住宅セーフティネット法という法律においても居住支援協議会の設置が規定をされておりまして、自治体といろいろな民間の業界、また業者といろいろ知恵を出し合いながら高齢者とか障害者の皆さん方の住宅の確保に努めるという内容だと思うのですけれども、この辺の重点プロジェクトの仕組みの基本的な考え方につきまして再度ご説明をいただきたいと思います。

○活田住宅課長  ご指摘いただきました居住支援協議会でございますが、重点プロジェクトの中でも検討したいと考えております。ただ、これもご指摘いただきました空き家・空き地対策も兼ねてございますので、私どもとしてはこの空き家・空き室の有効活用を前面に出しつつも、住宅確保要配慮者への配慮をするための組織体、協議体をまずつくりたいと考えてございます。

木下広委員  具体的にはどういう方がいらっしゃるのですか。不動産関係の人もいらっしゃると思うし、学者だとか、そういう方も入れてやられるのかどうか細かく教えてください。

○活田住宅課長  来年度の年度当初は、まず学識経験者と不動産関連事業者、建築の事業者も含みます。それから社会福祉協議会、としま未来文化財団、このメンバーでいきたいと思います。ただ、必要に応じてNPOとかほかのメンバーも加えていきたいと考えてございます。

木下広委員  学者もいろいろいますので、私どもは昨年大変痛い目に遭いましたので、ぜひその辺は慎重に考えていただいてお取り組みいただければと思います。

 

リフォーム補助制度の充実

 最後に、住宅のリフォームの補助制度等について伺いたいのですけれども、昨年の第3回の定例会で私も一般質問させていただいて、重点プロジェクトの協議の中で空き家、空き室の有効活用のための新たなリフォーム制度の創出について検討していくとご答弁をいただいております。一方、今定例会でも区長の答弁の中で、緊急経済対策の一つとして2年程度をめどに区内の発注の工事のそういう対応をされるという答弁もあったわけですけれども、今年度中の住宅リフォーム補助制度の創出の可能性についてもそのような形で出てきたわけなのですけれども、緊急経済対策としての、そういう助成制度とこの住宅施策一般としての今後の取り組みについて、その辺を分けてご説明をいただければと思います。

○活田住宅課長  まず、緊急経済対策としての住宅リフォームなのですが、来年度、予算計上しておりません。制度設計の詳細まで検討していないところですが、イメージとして、財源をどこから持ってくるかというのもあるのですが、品川区が22年度に1年間だけ緊急経済対策としてやっております。それから、北区が23年度、来年度やる予定です。それから、私どもの13年度、14年度にやっていた住宅リフォーム、この辺を参考に緊急経済対策としてのリフォームのあり方を検討して、夏ごろまでにはある程度の結論を出したいと考えております。一方、重点プロジェクトの中で空き家、空き室対策の活用も踏まえた住宅リフォームですが、これは長期的な制度になるかと思いますので、今すぐ制度の結論を出すというところまでには至ってございません。

木下広委員  空き家、空き室の有効活用、自分たちもまちを回っていまして、何とかできないかと、一方ではやはりオーナーとの関係だとかもあって本当に難しいとは思うのですけれども、困っていらっしゃる高齢者の皆さん方の対応といいますか、その辺についてもできる限りの努力をしていただきまして、また一方ではリフォームを契機に経済の活性化とか、そういった面も含めたいろいろな考え方もあるとは思うのですけれども、この住宅施策全般について、高齢者のひとり暮らしだとか高齢者のみの世帯がまたこれからもどんどん増えていくという現状もありますので、様々な知恵を使っていただいて、今回のこのプロジェクトでじっくり腰を落ちつけて、現状に合った、一人でも、できるだけ多くの高齢者の方を救済といいますか、対応していただくようにお願いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。