平成25年決算特別委員会 福祉・衛生費(10月10日)

発達障害の支援事業

○木下広委員  私のほうからは、発達障害の支援事業について、決算書229ページ、成果報告書27ページの件で、確認をしながら若干伺わせていただきたいと思います。

そもそも僕たちが議員になったころは、この発達障害とかという言葉自体もなく、都議会のうちの長橋桂一が都議会で初めて発達障害という言葉を使ったとかと言って、当時の石原都知事のほうから答弁をいただいて、事業がスタートしたと私どもは認識しておりますけれども、本当に僕たちの小さいころからすると、予想もしないようないろいろな子どもたちの状況が出てきているという、そういう中で、僕のやはり周りでも、最初はとにかく親もわからなかったというようなことで、いろいろな保健所へ行ったり、子どもの状況を言ったり、幼稚園で拒否されて、いろいろよく調べてみたら、今、発達障害なんだよということで、びっくりされて、それから対策をとられるお母さん方とか、いろいろ御相談を受けて、とにかく早いうちにそれを見つけて治療していけば、もう中学校、高校なんかは本当に普通の青春を送れるということも私どもも伺っておるところなんですけれども、そういう意味では、もう本当に小さいときから、できるだけそれを早期発見をして、発見したらすぐ相談の窓口があり、いろんなその対策のメニューがあるというのが一番理想的なところだと思います。

本区においても、そういうような国の動向等にも、流れも踏まえて、いろいろな対策をとってこられたこと、十分承知しております。やはり医療の部分と保健の部分と、あと学校教育の教育の部分ですよね。教育の部分も必要になってくるし、学校を卒業すると、あと労働の部分など、いろいろなところから連携をしながら支援をしていかないといけないということで、私どもは、それぞれのライフステージに合わせた相談窓口だとか、その対策をしっかり一貫した対策をやってもらいたいということで主張してきたところですけれども、ことしで3年目を迎えたネットワーク会議も始まったと思うんですけれども、その辺の本区の認識とネットワーク会議の状況について、まずお聞きをさせていただきたいと思います。

○大須賀障害者福祉課長  御指摘のとおり、平成17年4月に発達障害者支援法という法律ができまして、そこで初めて発達障害ということが一定程度規定されたというところでございます。

本区におきましては、平成23年3月に発達障害者支援検討会の報告書をまとめさせていただきまして、その中で、委員御指摘のとおり、ライフステージを通した一貫した支援というものが必要であるということを確認することができました。とりわけ関係機関の連携、それから社会資源に関する情報共有、そして発達障害に関する啓発、この3点を挙げております。

そういう意味で、関係機関の連携に当たるところがネットワーク会議ということで、平成23年に始めた事業でございます。とりわけ専門部会を設けまして、昨年度はずっと、御指摘をいただいておりました発達ノートというふうな、仮称でございましたが、それを発達サポートファイルという形で作成いたしましたし、また支援者ガイドというものも作成しまして、非常に課題は多うございますけれども、今後、そうした庁内関係機関だけではなく、ちょっと幅を広げて、ネットワーク会議も広げる必要があるのではないかなどが今議論されているところでございます。

○木下広委員  発達サポートファイル、支援ガイドということで、具体的な手を打っていただいて本当にありがたいとは思っているところなんですが、もう1つの特徴として発達障害者心理相談事業という事業をしっかりやっていただいているんですけれども、これについてはどのような実績があって、どういう状況なのか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。

○大須賀障害者福祉課長  23年度に始めて、ちょうど8月に始めた事業でございますので、23年度は延べ83件となかなか実績が上がりませんでしたが、24年度はおかげさまで延べ222件という形で増加傾向にございます。

効果につきましては、一番大きいと思われるのは障害受容という点だと思っております。大学の報告を伺っておりますけれども、発達障害というわかりにくい障害をみずから特性として理解していただいて、ということに非常に大きな役割を果たしていると思っております。そのことによって、次の対応や進むべき道の具体的なイメージが持てるということで、例えば保護者の方が発達障害ということを受容していただいて、お子さんにとってどのような進路がふさわしいかということを考えていただくとか、それから、当事者の方につきましては、例えばどのような就労の道が検討できるのかというようなことを認識していただけるという、そうした整理をしていただけるということが非常に大きな効果だと思っております。