平成25年決算特別委員会 文化商工・教育費(10月15日)

トキワ荘関連事業

○木下広委員  続きまして、この当該年度、平成24年は私も副議長として、さまざまな80周年の行事に参加させていただいて、私の地元の椎名町駅周辺も、トキワ荘を中心としたり、また椎名町の駅の改修が完成をしたり、非常に皆さん方の関係者の努力にもう本当に感謝をしたいところですけども、まず当該年度は、トキワ荘関連で紫雲荘の漫画サポートの事業があったと思うのですけども、その辺の実績を踏まえての総括をお願いしたいと思います。

○齋藤文化観光課長  今の椎名町周辺のことに関連しまして、トキワ荘の関係でございます。トキワ荘周辺のあの地域、南長崎地域では、こちらも地域住民の方が自主的に協議会をつくりまして、豊島区ゆかりの漫画文化、特にトキワ荘を活用とした都市型観光ブランドづくりのために非常に熱心に活動されているところでございます。区は、その協議会とともに活動しまして、漫画によるまちづくりを進めておりますが、その活動の中の1つがこの紫雲荘関係の事業でございます。

紫雲荘における漫画家のサポートということでございますが、若手漫画家をトキワ荘のあったまち、こちらから育てるという目的で3年間の計画ではございますが、漫画家を目指す若者の入居者3人、そのうち1人はもうプロの漫画家でございますが、その方の家賃半額を助成しております。

また、あわせての公開イベントということでございますが、ワークショップ、これを3回開催しておりますし、またトキワ荘の住人でもあった赤塚不二夫先生が使用した部屋、これは現存の紫雲荘にございますけれども、そちらをオープンしまして、展示公開しまして、多くの方に来ていただいているようなものございます。

○木下広委員  成果報告のほうにもありましたけれども、椎名町駅から降りてトキワ荘方面への案内板といいますか、それが目ぼしい目印になるものでもないので、その辺の対策もとられたと思うのですけども、執行率も低いようなところもあるのですけど、その辺のところはどういう状況なのか教えていただきたいと思います。

○齋藤文化観光課長  こちらの執行率は30%台と低いものでございますが、さまざまな工夫を行ってございます。こちらのほうにも書いてございます、まず計画変更による椎名町駅舎工事委託料の減等々でございますが、最初に考えた工事よりも、壁画を、それ自体をなるべく軽量化いたしました。軽量化することによりまして、壁面の耐雨補強が要らなくなりましたということが大きな原因でございます。

また、ギャラリーというのが南口にございますが、作品を展示する環境、こちらは日光が当たったり、風とか、大変な、ある意味ちょっと厳しい環境でございます。本物を当初置こうとは思っていたのですが、ほかのもので展示方法を検討しているものでございます。

また、著作権、トキワ荘はかなり著作権が絡んでいるものでございます。著名な漫画家の方がたくさんいらっしゃいますので、そういうことにつきましてプロダクションと話しました。それで予定額を大幅に下回ってまいりましたので、それでこのような執行率になったものでございます。

○木下広委員  当該年度は東京マンガ・アニメカーニバルとか、委員長の好きそうなコスプレのパレードとか、そういうのも計画されたと思うのですけれども、要は豊島区の財産をどうほかのアニメ、現在のそういうのにマッチして発信をしていくかというのが今後も大きなあれになると思うんですけども、一方では、このマンガカーニバルのときでしたっけ、神戸の鉄人28号の長田区のひげのおじさんがいらっしゃったり、京都の有名な人がいらっしゃって、そういう話し合いをしたのですけれども、その中で余り行政が入ってくると、こういう文化だとか芸術とかというのは、余りよくないよというのを辛らつに言った覚えが物すごく私、印象にあるんですけども、その辺をも含めて、財産としてのその認識とか価値だとか、そういうのはもちろん行政として永遠として残すべきところは残す必要はあるのですけども、本当にそういう意味では、民間のいろいろなアイデアだとか、そういったものと一緒になってやっていくというところが非常に大事になってくると思うんですけども、その辺の今後のアニメとコラボしたこのトキワ荘の関係の文化の発信についてはどういう御見解をお持ちか、ちょっと御確認させていただきたいと思います。

○齋藤文化観光課長  今お話のとおり、トキワ荘、漫画と、池袋にはアニメ、これが集積しております。そちらを結びつけるのはかなり困難なことではありますが、まずできることからやっていこうと思っています。

それで、お話のまずトキワ荘のほうに限っておっしゃっていただければ、最初に申し上げたとおり、こちらは地元の方がかなり自主的に、主体的にやっていらっしゃる、熱意を持ってやっていらっしゃっております。今年度、またお休みどころを開設しますが、それについても週1回、御自分たちでも集まっていらっしゃいますし、私どももその会合に参加させていただいて、綿密に打ち合わせさせていただいております。

ただ、内容につきましては、裏方と言ったら変ですけども、下支えといいましょうか、そういう形で私どものほうはやってまいりたいですし、またともかく地元の方が主導的に、主体的にやっていただければというふうに考えてございます。

○木下広委員  私、平成7年に初当選したのですけれど、前の先輩の菅原啓二さんから言われて、南長崎にはトキワ荘という文化のそういうのがあるので、2回ぐらい議会で発言してやろうとか言ったのですけど、発言はしたのですけど、当時の区長の加藤一敏さんは、長崎のアトリエ村だとか、あちらのほうまでで、南長崎のトキワ荘までは全然その意識を持っていただかなかったというような感想もありまして、15年前、16年前から比べると、本当にそういう意味では地元の皆さん方がここまでやってくださって、ここまで盛り上げができたということは本当に喜んでいらっしゃると思います。

今後は、本当のトキワ荘のヒーローたちの、ああいう小さい石碑ではなくて、本当のトキワ荘の復元に悲願の、目指してやっていらっしゃるということも聞いております。本当に限られた豊島区のそういう文化の財産については、できる限りの支援をしていただいて、まちのまちおこしにつなげるとともに、文化の発信として信念を持ってやっていきたいと思っておりますので、その辺の今後の大きな展開についてはどうお考えになっていらっしゃるのか、お聞きして終わりたいと思います。

○吉末文化商工部長  今後の展開でございますが、トキワ荘、漫画アニメ文化というのは豊島区が誇る、世界に誇るかつてあった部分でございます。それをいかに世界に発信していくかというのは大きな課題でございますので、そのためには、いろいろなお客さんがいらっしゃいますが、そういう方々を温かくおもてなしする地域の連帯感というのは欠かせない部分が1つございます。

もう1つは、聖地と言われながら、その聖地がなかなか認知されていない状況もございますので、区長もたびたびトキワ荘の復元に言及する部分もございますので、そうした面を一体となって盛り上げていって、全国、それから世界に発信していきたいと考えてございます。

○高野区長  文化というものは大変時間がかかるものと私は認識しております。そして、すぐ結果が出るものというようなこともありません。そういった意味で、文化を認識しながらじっくり育ていくではないですけど、1回やってもすぐは出ないということだけ御理解をいただきたいと思います。