平成30年決特 文化商工・教育費自由質疑木下発言(10月18日)
いじめ対策・SNS・保護者教育
○木下広委員 お疲れさまでございます。
私のほうからは、子どもたちを取り巻く環境が、時代が複雑になるにつれて、さまざまな事件に巻き込まれるというケースもあるし、また、従来からのいじめとかというような対策も、先生方忙しい中で、そういうような時代に即したようないろいろな厳しい状況の中で、対応いただいているということは、本当に心から感謝をするところでございますけれども、いじめについて、小学校、中学校、それぞれの当該の認識というか、掌握の数。あと、SNSなどで裸の写真を送るだとか、そういうような事件に遭ったような、事故の件数というのは掌握されているでしょうか、ちょっとお願いします。
○加藤指導課長 いじめに関しましては、文部科学省が実施している調査、東京都が実施している調査、また、本区独自に実施している調査でいじめの件数を認識しております。また、SNS等によるいじめに関しては、現在のところ、報告は受けておりません。
○木下広委員 具体的な数とかというのは言えないのかな。もし言えるんであれば、参考のためにお聞かせいただければと思います。
○加藤指導課長 文部科学省に昨年度のいじめに関して提出したものでいきますと、小学校で486件、中学校で40件をいじめの認知件数として報告をしております。
○木下広委員 これは経年で見るとどうなんでしょうか、この26、27、28、29というと、大体で結構なんですけど、この傾向、高いように思いますけれども、認識をお願いいたします。
○加藤指導課長 実は件数につきましては、その前の年は、小学校68件でありました。それが486件になっております。これに関してですけども、昨今いろいろな都道府県において、いじめがふえてきているということで、文部科学省のほうがいじめの定義を変えました。それを踏まえて、いじめの件数がふえるものだという認識があったんですけども、実際にふえて、すぐまた減ってしまうという状況がございました。つまり、いじめについての認知が十分でなかったということで、東京都は昨年度、平成29年2月に「いじめ総合対策」という、いじめに関する冊子を作成しました。その関係もございまして、いじめを、軽微ないじめも含めていじめと認知をするという考え方に変わったため、全都的にいじめの件数はふえている状況がございます。それを受けまして、本区におきましても、軽微ないじめも含めていじめと認知をし、件数がふえたというところでございます。
○木下広委員 そうですか。ということは、どうなんでしょう、報告の仕方については、大人の都合で、もう軽微なものから報告をしなさいといったら、ばあんと出てくるわけで、やっぱりそういうような、それはしようがないと思うんですけども、この486件、小学生ですね。あと中学校40件のうちで、種類があると思うんです。軽微なやつ、中ぐらいなやつ、深刻なやつ、それぞれはどれぐらいの数を掌握されているのか、されていないのか、ちょっと教えていただけますか。
○加藤指導課長 今、委員のおっしゃいましたグループ分けにすると、8対1対1ぐらいのペースでございますので、実際に今までいじめとして、社会通念上いじめとして、例えば故意にいじめた件数については、全体としては余り変わってない状況でございます。かえって軽微ないじめに関して認知を上げてきておりますので、それがもう400件近くという捉え方をしております。
○木下広委員 なるほど、そういうことですね。軽微なその報告が、分母が増えたというような認識ですね。中学校のほうはどうなのかしら。この辺についてはどういう認識を持っていらっしゃるのか。
○加藤指導課長 小学校における軽微ないじめというのが、やはり少し悪口を言われたとか、軽く肩をたたかれてもいじめと思った場合には、いじめと認知をしておりますが、中学校の場合は、その点、そういう友達の言葉に対する耐久性といいますか、気にしないというような現状もございますので、言われたことについて、いじめだと捉える生徒が少なくなってきている関係もあって、件数的には少なくなってきていると捉えております。
○木下広委員 ということは、小学校486件のうち、8割が軽微で、あと中程度が1割。1割ということは、大体どれぐらいなんですか、10人とか、7人とかと、要するに深刻なケースですね。要は全国で不幸なニュースが時々報道されます。要するに命を落とすだとか、やっぱりそういうようなケースを何とか防がないと、これは公教育の使命として、これは非常に緊張感を持ってやっていかないといけないということで、その深刻なケースというのは、もちろん学校の経営者である校長先生も、それぞれがそういう共有をして、対策がとれているかどうかという、そういうことが僕は大事なことだと思うんです。本区のいじめ対策で見ると、一発に出てくるのがhyper-QUで、私どもは掌握してますみたいなこと、ずっとこれは書いてあるんですけど、いや、本当のいじめってやっぱり現場で起きているので、そういう意味では、本当に子どもたちの命を守っていくというところでは、学校関係者のそういったところというのは、もう本当に一番水際で対策が出る大事なところだと思いますので、その辺の深刻な状況かどうかとかというのは、本区の校長先生とか、副校長先生が対応して、こうやって解決しただとか、そういうような具体的なケースというのは、この数年とかではあるのでしょうか、ないのでしょうか。ちょっと具体的な名前はいいんですけども、事例があったらお教えいただきたいと思います。
○加藤指導課長 まず、いじめに関して、各学校でいじめ問題委員会という委員会を立ち上げておりまして、各学校ごとにいじめがないかどうか、いじめにつながるようなことがないかどうかを定期的に調査しています。多い学校では、毎月1回、そのようなアンケートをとって、子どもたちのいじめに関するものについての調査をして、未然防止、早期発見を努めているところでございます。また、ここ数年間ということでございますが、私が校長時代の話でございますが、やはり例えば体操着にマジックでいたずら書きをしてあるとか、そういうことはありました。そういう学校もございましたが、やはり校長を中心にいじめの怖さ、悲しさ、受けた子どもたちの心の傷というものを全校朝会等で話をすることによって、やった子が正直に出てきて、謝って、お互いに許し合ったというような案件がございます。やはりそれも含めて、校長を中心として学校の中でいじめをさせない、しない、許さないという体制をとっていくことが重要だと考えております。
○木下広委員 では、現在豊島区立の小・中学校においては、いじめがあったとしても、ちゃんと掌握をして、対策はとっているという、そういうことで、私どもは認識をさせていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それで、あと、SNSを通じた事件なんかについては、やっぱり学校教育の現場で、いわゆるそういう教育を保護者も含めて、児童のうちからSNSというのは、便利だけども怖いものだという、そういうような一方では教育というか、そういうところにも取り組んでいただきたいと思っておりますので、その辺を回答いただきまして、発言を終わりたいと思います。
○三田教育長 この件につきましては、毎年毎年、私どももはらはらどきどきしながら、学校現場を見詰めているというような状況です。過去の事例でいいますと、先ほど委員が御指摘のような、これを、ほっておいたら大変なことになるぞというようなケースはなかったわけじゃないんです。ただ、ここのところ、本人がいじめだと感じたものをいじめとして集めるというふうになりましたので、軽度かどうかは別です。入り口で深刻になったら、やっぱりそれは軽度ではないんです。ですけど、本人がこれ、嫌だなと思ったら、もういじめとカウントしてやるんだとなってきてから、ことしの経過を見ていると、去年に比べるとぐっと減ってきています。というのは、学校でそういう対応をきちっとやってくれているというふうに考えています。
それで、SNSの件なんですが、これが本当にわかりにくいんですね。大体、先生方はSNSでどういう問題があるんだって、現状を進行形で把握するというのは、ほとんど不可能です。問題があってから、後でそういうことがあるということですが、本区では、ソーシャルスキルトレーニングということで、ICTの活用の一環として、やっぱりその陰の部分、マイナスになる部分、どう改善していったらいいかということを授業の一環として取り組んでいる効果はあると思いますが、やっぱり親御さんが、今はスマートフォンでもコンピューター以上に性能がいいと。そうすると、フィルタリングをしてない家庭の場合とか、やっぱり次々と手を入れていかないとならないという、一番気の置けないような状況というのは、現状としては我々認識しておりますので、今後とも引き続き油断をしないで、しっかりと子どもの心のひだに立ち入るような、日ごろから先生方がそういう状況を把握できるような環境をつくってまいりたいと思います。