2009年09月28日 八ツ場ダム・キャサリーン台風 

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八ツ場ダム問題で群馬県議会公明の水野議員さんから情報提供がありました。 
●治水について、本県出身の民主党議員(石関代議士)による質問主意書をもとにした、「カスリーン台風の再来時、八ッ場ダムの治水効果はゼロ」との政府の答弁も、かなり曲解されて意図的に報道に使われているようです。 
 この質問主意書では、1947年のカスリーン台風が「再来」した場合の治水効果を尋ねており、政府の答弁書では、八ッ場ダムがあってもなくても洪水のピーク流量が同じであることを答弁しています。 
 
 しかしこれは、カスリーン台風では吾妻川流域に雨がたまたま降らなかったからであって、まったく議論のすり替えです。今後の台風接近に伴って、同じように吾妻川流域に雨が降らないことを、石関代議士が保証してくれるなら別ですが。 
 
●前原大臣はH21年9月17日(木)の会見で、 
「中止した方が事業費が高くなっても中止するか」との問いに、「方針は変えない。(中略)プラスマイナスを個別事業で考えてはいけない。改正河川法には住民との対話と環境への配慮が加えられた。我々はダムに頼らない河川整備を行っていく。山を整備し水質を向上させ資源とするとか。ダムを造ればそこに砂がたまり浚渫費用がかかるだけでなく、河口に砂が運ばれず海岸が浸食され護岸工事も必要になる。小さなところにこだわるのではなく、改正河川法の主旨をいかしていく。もちろんすべてのダムを止めるわけではない。」(主旨)との発言をしたと聞きましたが、これこそ暴論の最たるものです。 
 
 まず、堆積土砂についていえば、ダムの容量を計算するときに、当然のことながら織り込み済みです。おおむね100年間でたまる堆積土砂の量を含めて、利水容量、治水容量(洪水調整容量)を計算しています。 
 
 さらに、河口に砂が運ばれず、海岸浸食、護岸工事云々、とのくだり。呆れてものが言えません。海岸浸食が各地で大きな問題になっていることは、十分に承知しておりますが、その対策としてダムを造らずに上流から土砂を流すというのは、「小さいところにこだわらない」どころか、まったく河川管理の歴史を踏まえていない暴論です。 
 
 古来、急峻な日本の河川は、水と共に土砂を下流に押し流し、河床(川底)の上昇をもたらしてきました。ひどい地域では「天井川」として、周辺地域よりも高い位置に川底がある状態にまでなり、甚大な洪水被害を繰り返してきました。 
 
 河川の容積の確保については、現場レベルでかなりデリケートな管理をしているそうです。河川の容積を確保するために、土砂を取り除きすぎると、橋梁や堤防の基礎の下にまで水が回る恐れもあり、それも危険です。 
海岸へ土砂を回すために上流にダムを造らないという理屈は、中流域へ土砂が堆積し続けることが前提となります。それは、洪水があることで土壌が豊かになるから、と洪水を容認するのと同レベルの議論としか思えません。 
 
 
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